代表質問(12期)
[代表質問] 西銘 啓史郎 平成30年第8回沖縄県議会11月定例会
平成30年12月04日(火)第8回沖縄県議会(11月定例会)代表質問
西銘 啓史郎(にしめ けいしろう) (会派:沖縄・自民党)
1:基地問題について
- (1) 普天間飛行場移設問題関係について
- ア 知事は、安倍首相に辺野古移設反対を明確にし、菅官房長官との会談でも反対を告げながら、約1カ月間の集中協議を求めた。反対を言いながら話し合いによる解決を求めるとの知事の本音はどこにあるのか。基本的な考えを伺いたい。
- イ 杉田官房副長官と謝花副知事による協議が始まった。報道によると非公開で内容はお互いの主張を述べているだけという。県は、何らかの妥協点を見出すことが可能との判断か伺いたい。
- ウ 岩屋防衛大臣は、政府が約束した2014年2月を起点とする普天間飛行場の5年以内の運用停止について、移設作業のおくれなどで難しいとの見解を示し、新たな目標を国と県がともに設定できる環境をつくらねばならないと述べている。県として、新たな目標設定で話し合いに応じる必要があるのではないか。知事の考えを伺いたい。
- エ 国交相は、県の撤回の効力を執行停止した。これにより国は県の埋め立て承認に基づき作業を再開したが、知事は、新たな知事権限で作業を阻止するとしている。新たな知事権限とは何か、具体的に説明されたい。
- オ 知事は、安倍首相や菅官房長官、岩屋防衛大臣との会談で、みずからの当選で民意は揺るがないと民意を強調し、また国交相の埋め立て承認撤回の効力を執行停止したことに知事選で示された民意を踏みにじるものと批判している。知事選で民意が示されたと断言しながら5億円余の血税をかけて県民投票を行う必要性はどこにあるのか伺いたい。
- カ 玉城知事は、沖縄に民主主義はないと日米両政府を強く批判しているが、さきの県知事選で民主的に選ばれたはずである。沖縄に民主主義がないとする根拠は何か伺いたい。
- キ 今回の玉城知事の訪米の主目的と訪問先、面談した政府の関係者及び上院、下院議員の詳細と要請の成果等について伺いたい。
- ク 去る10月30日の野党国会議員による合同ヒアリングで、県の謝花副知事が鳩山元首相の「最低でも県外」と言った言葉に県民は感謝していると述べたとされるが、間違いないか。県民が感謝しているということをどのように調べたのか。また、県民は今も鳩山元首相に感謝していると考えているのか伺いたい。
- (2) 基地負担の軽減について
- ア 県は、他国の地位協定調査として、ドイツ及びイタリアの現地調査を実施し、中間報告書を作成した。他国と比較し優位となっている条項はないか。また、これまでの具体的な改善例はどれくらいあるかを伺う。また、調査結果を今後どのように生かしていくのか伺いたい。
- イ 沖縄県における米軍専用施設(施設数・面積)について、復帰前・復帰時から現在(平成30年3月)までの推移とどのくらい減少しているか伺いたい。
- ウ 本県における米軍及び自衛隊基地(施設数・施設面積)の全国比率と県内米軍・自衛隊両基地所有形態別面積での民有地比率はおのおの何%か伺いたい。
- (3) 基地関係収入について
- ア 基地は経済発展の最大阻害要因と言われるが、知事の見解を伺いたい。
- イ 軍関係受け取りについて、復帰時の額及び直近の額、県民総所得における比率を伺いたい。
- ウ 軍関係受け取りの内訳で軍用地料の復帰時と直近の額について伺いたい。
- エ 軍用地料については、自衛隊関係は含むのか、含まなければ自衛隊基地の用地料は幾らぐらいになるか伺いたい。
2:観光振興について
- (1) 県は、2020年に入域観光客数を1200万人、観光収入1.1兆円、1人当たりの消費額9.3万円、滞在日数4.5日の目標達成を掲げているが、現在実施している施策で達成可能であるか。また、さらなる向上が必要であるとすれば具体的な戦略を伺いたい。
- (2) 県が導入を目指す観光目的税について、課税対象や徴収方法及び使途、ホテル等宿泊事業者への指導等、課題が多いが対応を伺いたい。
- (3) 好調な観光を持続させ、さらなる発展のためには、観光業の底上げが必要であるが、現状は人手不足で深刻な影響が出ているようである。その理由・背景に何があるか伺いたい。
- (4) 県は観光を自立経済の柱と位置づけており、観光を魅力ある産業として働きたいと思うような環境整備が必要であるが、県民意識調査では否定的な回答が5割近くもある。県の観光産業の人材育成・確保対策、基本的な考え方について伺いたい。
- (5) 入域クルーズ船の課題と対応及び需要予測について
- ア 県経済への効果(消費額)という観点では課題も多いと考える。また、現在、新港埠頭地区(7号バース、9・10号バース)利用による利用客からのクレームや課題と解決に向けてどのように取り組むか伺いたい。
- イ 那覇港管理組合では、第2クルーズバースの整備と浦添地区にもクルーズを計画しているようだが、県として、物流ゾーンにつくられる第2クルーズバースの課題と今後の総需要についてどのように予測しているか伺いたい。
- (6) 民泊新法が施行され、県や市でも独自の条例を制定し規制やルールづくりで受け入れの整備が進んでいるが、県内の届け出状況と無許可の闇民泊の取り締りについて伺いたい。
3:県内産業の振興について
- (1) 本県の中小企業は、資本規模が小さい小規模事業所が多くを占めている。県が目指す県経済の自立を図る上で、現状の県内産業構造で可能であるか。また底上げ、競争力の強化が必要であれば、その振興・育成をどのように図っていくか伺いたい。
- (2) 沖縄県小規模事業経営支援事業費補助金について、その趣旨と支援状況、九州各県の状況について伺いたい。
- (3) 同事業については、補助内容が九州各県は人件費を基礎経費として位置づけ、事業費は人件費増が伴っても影響を受けないが、本県は、人件費と事業費が総額として計上されるため事業費の確保が困難となっている。本県も九州各県同様人件費を基礎的経費として位置づけるべきだが、県の考えを伺いたい。
- (4) 全国で自然災害が相次ぎ、想像を超える被害が起きているが、本県では緊急事態発生時における企業の事業継続計画策定は進んでいないようだが、県として、調査指導が必要ではないか伺いたい。
- (5) 働き方関連法が成立した。時間外労働に初の罰則つき上限制を設け、非正規労働者の待遇改善や同一労働同一賃金など働く人の保護策が盛り込まれているが、県内企業への影響、県の対応について伺いたい。
- (6) 県は、情報通信関連企業の立地を2021年度までに企業数560社、雇用者数4万2000人を目指しているが、これまでの実績と売上高について伺いたい。
- (7) 知的・産業クラスターの形成に向け、バイオ関連分野の研究や健康・医療分野における研究やベンチャー企業の育成が進められているが、その進捗状況と県経済の振興・発展への位置づけについて伺いたい。
- (8) 県は、沖縄のソフトパワーを活用した新事業・新産業の創出を目指しているが、本県の文化資源、スポーツなど、具体的にどのように産業化し、ビジネスに結びつけていくか、また、成果目標について伺いたい。
- (9) 金融関連産業の集積を図るため、県は、経済金融活性化特別地区制度を活用したビジネスモデルの創出に向け取り組みを進めているが、集積促進や企業が求める金融人材の育成・確保の取り組み状況、2021年度までの目標達成は可能であるか伺いたい。
4:県内社会資本の整備について
- (1) 本県は、島嶼県であり、台風の常襲地域で自然災害をこうむりやすい地域であることから、災害に強い県土づくりと防災体制の強化が求められている。21世紀ビジョン基本計画に基づき展開している施策の全般と特に密集市街地における対策について伺いたい。
- (2) 沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)事業予算の減額で、さまざま交付事業、補助金事業を活用して社会資本事業の所要額を確保するとしているが、県単独の継続事業、新規事業全てをカバーできたか伺いたい。
- (3) 復帰後46年が経過し、施設の老朽化が進行しているが、県民生活に直結する上下水道施設についての現状と耐震化の推進等の状況を伺いたい。
- (4) 県内建築単価の高騰などもあり、公共事業工事における不調・不落の割合が多くなっているようだが、原因として、建設技術者等の深刻な不足が指摘されている。現状と今後の取り組みについて伺いたい。
- (5) 国直轄工事の県内建設業への優先発注及び建設資材の県産品優先使用について、県の取り組みと米軍発注工事のボンド率の縮減について伺いたい。
- (6) 民間の調査によれば、2040年には貸家に住む世帯数はピークを迎え、持ち家取得が困難になるとしている。県の住宅整備計画について伺いたい。
- (7) 県は、産廃不法投棄で産業廃棄物処分業の許可を取り消された倉敷環境関連会社に産業廃棄物処分業の許可を出した。その理由とごみ山の処分を含めた今後の指導方針について伺いたい。
- (8) 識名トンネル補助金問題での元県幹部に7178万円の賠償請求と賠償命令を行ったようだが、県として何らかの救済方法は検討したのか。また、今後同様な業務に従事する現職員への影響をどう考えているか伺いたい。
- (9) 免震・制振装置の検査データ改ざんが発覚し、全国的な問題に発展しているが、本県における状況はどうか。また、県の施設や病院などは該当しないか伺いたい。
5:陸上交通網の整備について
- (1) 県の鉄軌道導入計画案が了承された。これにより県鉄軌道導入のルートはC派生案で確定したが、県経済団体会議は、県土の均衡ある発展を支え、将来を見据えた大局的な見地からのルート選定を求めている。要請に沿った選定となっているか、県の見解を伺いたい。
- (2) 県は、鉄軌道導入計画案を国の骨太方針に盛り込むよう要請するようだが、実現には特例制度創設など課題も多い。見通しについて伺いたい。
- (3) 内閣府は、2017年度に行った調査で、糸満―那覇間の鉄軌道とトラムトレーン(高規格の路面電車)はともに開業後40年間の累積損益収支は赤字となり、事業採算性に課題があるとしている。導入に向けての県との基本的な考えの違いが見られるが、どのように国を説得するか伺いたい。
- (4) 県内の恒常的な交通渋滞の緩和とマイカー依存からの脱却を図り、バスなどの公共交通や自転車利用の交通体系への再構築が必要であるが、鉄軌道を含めた県の陸上交通体系構築について、基本方向を伺いたい。
6:地域福祉・医療の充実強化について
- (1) 地域医療において産婦人科、小児科医師の不足は深刻な問題である。県内の医療体制の中核を担う全ての県立病院において、産婦人科及び小児科医師の配置は適正であるか、現状を伺いたい。
- (2) 北部地域の医療体制の整備状況について、現在、県立病院と北部地区医師会病院という同規模を持つ急性期病院が2つもありながら、医師不足、特に産婦人科医師の不足が慢性化しているが、その理由と背景に何があるか伺いたい。
- (3) 外国観光客による医療費未払い問題が言われる中、留学や経営などの在留資格を不正に取得して公的保険に加入し、親族関係が曖昧な人が海外から医療を受けに来て高額医療制度を利用し、3割負担で高額な医療を受ける不正医療で損害を受けるケースが発生しているようだが、本県における状況はどうか伺いたい。
- (4) 2017年の本県の介護離職者は1600人に達し、介護士不足の改善が見られない中、政府は、ベトナムから介護人材を受け入れる方針のようだが、本県において、海外からの介護人材の受け入れについて、県の考えを伺いたい。
- (5) 改正健康増進法の成立により、受動喫煙対策が東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月から全面施行されるが、本県における対象・対象外など企業・事業所への周知、指導の取り組みをどう進めるか伺いたい。
- (6) 県内の障害者の活動拠点となる障害者社会参加支援施設について、県は調査を実施したようだが、その結果と県が運営主体にならない理由を伺いたい。
- (7) 障害者雇用の法定雇用率水増し問題が拡大している。本県においても県教育委員会や県病院事業局で問題が指摘されているが、現状と改善策について伺いたい。