議会活動報告(12期)

[ 総括 ] 令和元年第6回沖縄県議会(11月定例会)代表質問

玉城知事の就任1年を検証する


[ 総括 ] 令和元年第6回沖縄県議会(11月定例会)代表質問


沖縄・自民党は、県議会11月定例会で、玉城知事就任1年目の県政運営を振り返り、基地問題や経済振興策等を中心に具体的に問題点を上げ追求します。 

玉城知事の最大の公約、県民との約束は、「辺野古移設阻止」です。

しかし、残念ながら辺野古移設阻止を含む基地問題では何等成果を上げていない事は明々白々です。 

翁長前知事から含め5年が経過していながら、いまだに国との裁判を何度も繰り返すばかりで、辺野古移設工事は一向に止まらず、埋め立て工事は着々と進んでいるのが現実です。 

また、沖縄21世紀ビジョン基本計画は、2022年(令和4年)3月で終了し、沖縄振興策の根拠法である「沖縄振興特別措置法」も期限切れとなります。

そのため、県は新たな振興計画の策定に向け準備を進めています。 

しかし、県経済振興に欠かせない、沖縄振興予算と一括交付金は減額され続け、 玉城知事は、振興予算と一括交付金の増額に躍起となっています。

その一方で、知事支援者等の中から、振興予算や高率補助不要論が聞こえてく るなど、問題だらけです。


11月議会では、次の3項目を中心に問題点を上げ説明を求めました。


1:普天間飛行場の返還問題は進展したか


2:首里城火災への対応について


3:減額が続く沖縄振興予算について


1:普天間飛行場の返還問題は進展したか

名護市辺野古移設を巡る県の国への対決姿勢は一向に改善に向かう兆しは見えてきません。 

翁長前知事から玉城知事までの5年間で、辺野古移設埋立承認に関連する裁判は8件あり、その内、訴えの取り下げで終結した事案が4件、県が敗訴した事案が2件となっております。 

そして現在、2件が係争中であり、これからも裁判が続きます。

最高裁の判断がし示されても、別の理由をつけて新たな裁判を起し続ける、県が勝てるとの根拠があれば納得しますが、これまでの結果を見れば県の勝算は見込めないと言うのが大方の見方であります。 

現在、辺野古移設に係る工事は止まるどころか進む一方です。

何故なら、国が進めている辺野古での埋めたて工事は、県の承認を得て進められているのであり、適正な手続きの下で行われているからです。 

法治国家・民主国家における国と自治体との平等の原則や対応に問題があるとして、裁判で争うにしても、裁判の結果が出たらこれに従うと言うのが、知事が常々口にする民主主義に下での知事のあり方ではないでしょうか。 

また、玉城知事は、沖縄の基地負担を全国で分かち合ってほしいと、全国区キャラバンを実施していると言いながら、大阪でのトークキャラバンで、「沖縄県 民も(県外に)引き取ってほしいと望んでいるわけでなない」発言するなど、意味不明な言動を繰り返しています。 

辺野古移設問題は、宜野湾市民や県民が危険視している、普天間飛行場の一日 も早い返還を実現することが原点であり、辺野古移設に反対するのであれば、普 天間飛行場をどう返還するかを宜野湾市民や県民に明確に根拠を故示して説明 しなければなりません。

今議会でも、これらの点について玉城知事は明確な説明はなく、逃げの答弁に徹していました。

2:首里城火災への対応について

首里城は、沖縄のシンボルであり、県民の誇りであります。首里城の復興・再建は必ず成し遂げねばなりません。 

沖縄・自民党も、早期の復興に向け、党本部、沖縄振興調査会及び美ら島議連に 早期の再建の向け政府と一体となった取り組みを要請するなど、要請行動を展開しました。 

そして、内閣府も国の責任において再建に向け取組むとし、早速沖縄総合事務 局に技術的専門家による有識者委員会を立ち上げ年内にも第1回会合が開催されます。

首里城の復興・再建は、国主導で県と連携し行われることとなっております。
しかし、首里城火災発生からの玉城知事の行動・発言については、あまりにも 軽率そのものでありました。 

出火原因の検証さえ入れない翌日には、早々に官邸を訪れ、菅官房長官に対し、 早期再建への支援を要請し、2022年までに首里城の再建計画を策定すると明言、さらに、首里城の所有権県への移転を検討すると軽々しく発言するなど、玉城知事の下における県政運営のお粗末さが露呈したのであります。 

県は、首里城の管理責任者であります。

そうであればまっ先にやることは、火災の原因究明など検証に専念することであり、その検証の結果等をいち早く県民に対し説明し、県民の考えを集約することです。 

その上で、国に対し、火災の原因や検証の結果等を説明し、その後に復興・復元、再建の要請や財政支援等を行うのが筋です。 

今議会で、沖縄自民党の質問に対し、玉城知事は、首里所復元のための関係閣僚会議において、国において首里城復元に向けた基本的な方針を速やかにまとめると、国の責任で取り組むとの菅官房長官の発言があったと答弁しております。 

また、首里城の所有権移転については、国から県への移転を国と協議する考えはないことも明言しております。 

結局、県主導での復興・再建や所有権の移転などは、事実上断念したことになります。首里城の復興・再建が国主導で確実に取り組まれることが明らかとなりましたが、玉城知事の軽率な発言、軽い行動は、決して見過ごしてはならないと考えます。

3:減額が続く沖縄振興予算について

2012 年(平成 24 年)から10年間の期限で実施されてきた、沖縄21世紀ビジョン基本計画は、2022 年(令和4年)3月で終了します。 

同時に沖縄振興策の根拠法である「沖縄振興特別措置法」も期限切れとなります。 

このため県においては、新たに10年間の振興計画の策定に向け取組みを進めていますが、これまで50年間、半世紀にわたり国の全面的な様々な支援策が実施されて来ており、更なる振興策を継続するには、これまで以上の相当の理由づけ、理論武装が必要であると考えます。 

しかし現状は、オール沖縄県政になってから、沖縄振興予算、特に一括交付金は大幅に減額され続けていることから県は危機感を持っています。 

その一方で、知事支援者大学教授等の中から、振興予算や高率補助不要論が聞こえるなど、矛盾だらけであります。 

今議会の玉城知事や部長答弁で、内閣府一括計上予算編成の有利性や高率補助制度が如何に県経済に貢献しているかを数字をあげて評価しており、いまだに格差が残る分野の解消がけできるまでの間は高率補助制度の継続は必要としております。 

沖縄は、将来の経済の自立を目指す上で、何としても新たな10年間の振興計画を策定する必要があると県も求めており、そうであれば、これまで5年もの間国との対立を続ける知事の姿勢は問題であります。

そのため、国といつでも話し合いが出来る信頼関係が築ける県政への転換が必要であります。


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