[ 活動] デニー知事による国連人権理事会における発言について(申し入れ)
令和5年9月6日
県議会会派沖縄・自民党が玉城知事に申入れ。
今月17日から玉城デニー知事は、国連人権理事会で演説をおこなうためにジュネーブに出発する事が決まっている。会派沖縄・自民党は玉城知事が最高裁判決の敗訴が沖縄県民の人権を蔑ろにされているとした論調や、県議会で議論すらなされていない県民が先住民族であると誤解を招く様な発言を慎しむように申入れを行った。
申し入れに対する玉城デニー知事の応答の動画がご覧になれます。
玉城デニー知事による国連人権理事会における発言について(申し入れ)
玉城知事が、今月スピーチを予定しているスイス・ジュネーブの国連人権理事会は、沖縄の人々を1879年の沖縄県設置以来、日本政府に植民地支配されている先住民族だと認識しており、2008年より国連の自由権規約委員会及び先住民族差別撤廃委員会から日本政府に対して、先住民族の権利を守るべきとの趣旨の勧告が合計6回出されています。
これらの勧告は、沖縄県議会で議論されたことも無いまま、 国連より一方的に出されました。
「沖縄県では、これまで沖縄県民が先住民族であるかどうかの議論をしておらず、自らが先住民族の権利を訴える立場に無い」 と、これまで県議会において県知事は答弁をしており、 国連人権理事会の勧告に対する姿勢を問われる段階には至っておりません。
加えて、米軍基地から派生する諸問題は県民の人権を侵害しているとの玉城知事の主張についても、国際世論に訴えるのではなく、まずは国内政治の場において議論を深めるべきであり、その手法には疑問を感じざるを得ません。
今般の国連人権理事会における、県民の代表としての知事の発言については冷静かつ平穏なものとしていただきたく、 下記のとおり申し入れます。
記
(1) 知事は県議会の答弁で、「地域外交については、明確な定義はありませんが、県が考える地域外交を示すとすれば、自治体、企業、NGO、市民など様々な主体において、国境を越えて、国際交流、技術協力など多分野で活動が展開されることと認識して」いるとしています。
地方自治体が独自に外国政府や団体等と交流することの意義については理解するところですが、国連人権理事会という国際機関の場において、 国内の政治問題を公的な立場で国際世論に訴えようとすることは、各国各機関に無用の誤解を生じさせかねず、また知事の提起する地域外交の趣旨にも反するものであるため、あくまで経済的・文化的な交流の促進という範疇にとどめていただくようお願い致します。
(2) 辺野古移設に係る埋立変更承認申請に対する知事の行った不承認処分については、最高裁判所が判決を下し、国土交通大臣による是正の指示が合法であることが確定しました。
日本国憲法が定める三権分立は重要な憲法的価値であり、行政権の一翼を担う地方公共団体の長たる知事は、確定判決に従って速やかに申請を承認すべきであり、人権理事会の場においては国内法秩序を蔑ろにしかねない言動は厳に慎んでいただくようお願い致します。
(3) 知事は今年に入って中国政府要人と面会するなど、中国政府との接触を重ねていますが、中国共産党系機関紙が沖縄と中国の歴史や、習近平国家主席が琉球との関係に言及するなど、殊更に沖縄に関心を寄せている事態は違和感を感じざるを得ません。
中国政府は、わが国固有の領土である尖閣諸島周辺海域において、領海侵犯を繰り返しており、国益が脅かされている状況にあります。
日本の地方政府の長たる知事が中国政府に対して誤ったメッセージを送ることのないよう、発言には十分留意していただくようお願い致します。
沖縄県議会会派沖縄・自民党
会派長:島袋 大