議会活動報告

[ 動議 ] ワシントン駐在事業費の計上を受けて



先日の議案説明会でも指摘をしましたが、甲第1号議案「令和7年度沖縄県一般会計予算」について は、違法性が治癒されていないワシントン駐在事業費が計上されております。

我々は去る令和6年11月議会において警告決議を行いました。

その際に、改めて追認のための議決が必要だろうと指摘をしましたが、法律的な整理が出来てないままに庁内決裁だけで処理されようとしております。


地方自治法96条1項6号によれば、財産を出資の目的とする場合には議会の議決を要すると規定しております。

沖縄県ワシントンDCオフィス社は、庁内の意思決定がないままに設立されたものであり、本来的には設立無効の状態にあったといえます。

そして、同社への出資金はワシントンコア社への委託料のうちダニエル・S・クレイカー氏へ行った再 委託料からねん出されており、県が直接出資したものではありません。

同氏は、ワシントンコア社からの再委託につき、県から「事務所の登記」について承認を受けており 、代理人としての地位を有します。

そして、払い込まれた出資金1000ドルについては 、発起人である同氏が再委託に係る委託料として請 求し、支払いがなされております。


したがって、同氏の行った本件株式会社の設立行為は、法律上、無権代理行為であって、県がワシントンコア社を介して支払った出資金相当額は、無権代理人である同氏の不当利得であって、県は同氏に対して民法703条に基づく不当利得返還請求権たる債権を有していることは明らかであります。

今般無権代理行為である本件株式会社の設立について、県は追認するための庁内意思決定を行ったわけですが、県は追認時点までの間、同氏に対する不当利得返還請求権を有しており、追認によって株式会社設立が有効となるということからすれば、当該請求権を出資の目的とすることになるのであり、地方自治法96条1項6号に基づき、財産を出資の目的とするための議会の議決が必要であるというのが正し い法律構成であります。


したがいまして、議長、我々は到底こうした違法状態が是正をされていない法人の存在を前提とした 予算議案を審議することはできません。

知事の提案理由も本来的には聞くに値しないと思っております 。

議案の訂正なり撤回して再度提出するなり、こうしたことが改善されない限り審議に応じることはできません。

また本日、令和7年2月10日付け総財第569号「 令和5年度沖縄県一般会計決算不認定に係る措置等について(報告)」という文書が知事から議長あてに提出をされております。

その中に、県の出資等に係る法人の経営状況報告書が提出をされておりますが、これまでの百条委員会における調査を通じて、沖縄県ワシントンDCオフィス社が本来支払うべき家賃や消耗品費、交通費といった運営経費は委託事業者であるワシントンコア社が支払っていることが明らかとなっております。

にもかかわらず、この報告書には、「同社の運営に必要な経費は県の「ワシントン駐在員活動事業」でわれており、同社において資金を受け入れている 。」という事実と異なる虚偽の記載がなされております。


さらに、「同社が同社の支出に充てるために上記事業から受け入れた資金は、日本の資本剰余金に相当するadditional paid-in capital(アディショナル・ペイドイン・キャピタル)として受け入れているが 、「3 基本財産の額」及び「4 県の出資の額」は同社の資本金のみを表示している。」という記述につ いても、2月10日に我が会派への説明にあたって、こうした会計上の処理が適切かどうか現在精査中と のことでありました。

この2点をもってしても、本日提出された経営状況報告書の記載内容そのものが虚偽記載であると言わざるを得ません。

こうした決算を前提とした甲第1号議案は、違法を前提とするものであります。

よって、私はただいま議題となっております議案のうち、甲第1号議案については、委員会に付託せ ず、議会において議決すべきものではないとの決定を求める動議を提出いたします。


2025-02-12 | Posted in 議会活動報告, お知らせNo Comments » 

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