予算特別委員会

[ レポート] ワシントン駐在員活動事業費について執行部を追及

令和7年3月18日

午前10時から令和7年度当初予算を審議する予算特別委員会が開かれ、玉城知事出席のもと、総括質疑が行われた。沖縄自民党・無所属の会からは、宮里洋史委員、新垣淑豊委員、仲里全孝委員の3名が質疑に立ち、ワシントン駐在員活動事業費について執行部を追及した。


そのなかで、これまで県が適正な支出と説明をしてきた委託事業について、完了実績報告書※事業実績や支払明細などを委託事業者から県に報告するもので、委託料の精算に必要となる。)に記載された事実と、添付されている領収書や請求書の内容が食い違っており

委託事業者による県への虚偽報告、つまり違法な支出の疑惑が新たに明らかとなった。


3月28日の最終本会議までに、百条委員会の開催が決定されており、ワシントン事務所の閉鎖に向けて、当初予算からの事業費削減を実現すべく、最後の最後まで努力を続けていく。


以下、各委員の質疑を詳報する。


宮里洋史委員

①ワシントン駐在問題に関する弁護士の見解及び委託先が肩代わりしている経費について
②ワシントンDCオフィス社の資金の流れと会計、決算処理について、質疑した。

(主なやりとり)


Q:謝花副知事から玉城知事は、ワシントン駐在員活動事業についてどのような引継ぎを受けたのか。そのなかで、事務所の株式会社の問題、職員の兼業の問題等は引継ぎがなかったのか。

A:ワシントン事務所の活動内容について引継ぎはあったが、法人設立の経緯等の引継ぎはなかった。


Q:百条委員会の参考人質疑において、資金を迂回させるスキーム、法人が直接支払いを行わず、委託先が間接的に支払いを行っていることが、不透明・グレーだとの指摘があるにもかかわらず、一向にこの委託方式を見直さないのはなぜか。

A:百条委員会、監査、調査検証委員会の検証を踏まえ、指摘されている問題点を確認しつつ、今後あり方を検討したい。


Q:弁護士と直接契約していたり、再委託したりしているが、二重払いではないか。

A:不自然な資金の流れにもみえるが、最終的には県から支払われており、問題はない。


新垣淑豊委員

①県の調査検証委員会から示された疑義及びこれまでの執行部の答弁との整合性について
②ワシントン事務所の設置目的、継続理由として挙げられている、県産品の振興及び文化交流事業が所管部局の事業に当初は位置づけられていないことについて、質疑した。

(主なやりとり)


Q:9月補正までに見直し作業を行いたいから7か月予算を組んだ、必要最小限を認めよと言うが、散々違法状態だと言われているにもかかわらず、半年近くもこれを放置し続けるのか。

A:7か月の間に、しっかり正すべき点を正していきたいという思いである。


Q:予算をめぐる与野党協議において、真に何が必要であり、何が不要かを議論するための積算資料を出すよう要求しても出てこなかったのはなぜか。

A:知事である私に資料の出し方について報告はあった。議会に出すべき資料は判断したい。


Q:仮に与野党が合意し、減額された成案を得て、当初予算案が修正議決された場合、知事は議会の意思を尊重し、再議を行わない、また不足分の予備費の執行も行わない、ということを担保できるのか。

A:仮定の話で難しいが、知事に与えられた権限、議会の意思をそれぞれ考慮して判断していきたい。


仲里全孝委員

①ワシントン駐在問題の改善策を明らかにすることについて
②ワシントン駐在員活動事業費の方向性を明らかにすることについて、質疑した。

(主なやりとり)


Q:L1ビザ取得は合法なのか、どの弁護士からの見解か、文書で出すべきではないか。

A:米国移民法に詳しい現地の専門弁護士からの助言により、給与は外国親会社から支払われていても問題ないということであった。文書で出せるよう調整をしたい。


Q:ダニエル・S・クラカワー氏が発起人として会社が設立されており、沖縄県の所有ではないのではないか。

A:沖縄県ワシントンDCオフィス社は県が出資しており、委託料から出資がなされたものと承知している。


Q:知事が12月に行った兼業許可は、公務員100%、会社役員100%というものだった。勤務時間のすべてを兼業するというような許可は許されるのか。

A:二つの身分をもつという意味で許可を出したものであり、許可基準にかなうものである。



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