[ 反対討論 ]令和6年度沖縄県一般会計決算の認定について 徳田将仁
令和7年11月26日 沖縄県議会第7回(11月定例会)
本日、沖縄県議会は第7回11月定例会本会議が開催され、令和6年度沖縄県一般会計決算に関する決算特別委員会等における審査の経過及び結果の報告を受け、わが会派を代表して令和6年度沖縄県一般会計決算に対する反対討論を徳田将仁議員が登壇いたしました。
以下、反対討論の全文
ただいま議題となっております認定第1号 令和6年度沖縄県一般会計決算について、沖縄自民党・無所属の会を代表し、不認定の立場から討論を行います。
決算審査を通じ、本県財政の健全性、執行の適法性、そして県政に対する県民の信頼が改めて問われました。中でも、県政の根幹を揺るがしかねない重大事案が、「ワシントン駐在員活動事業」をめぐる一連の問題です。
本件は単なる事務処理上の瑕疵ではなく、法令遵守・ガバナンスの根底に関わる重大な行政問題であります。
委員会審査では、
* 法的根拠の不明確な法人設立、
* 一部に非弁行為の疑いを含む業務委託、
* その委託料を経由した追加払込資本による赤字補填という異例のスキーム、
* 監査委員から「不適切な事務処理が継続していた」と繰り返し指摘されてきた経緯、
これらが次々と明らかとなりました。
さらに知事は、令和6年12月24日付で「法人設立を追認した」と説明していますが、行政法上、無効や違法の疑いがある行為を事後的に追認して適法化できる根拠は存在しません。
百条委員会の審議においても、この追認行為を正当化する具体的な法的説明は一切示されず、むしろ検証委員会からは「違法の疑い」、監査委員からは「不適切な事務処理の継続」が指摘され続けています。
知事が「追認で整理済み」と繰り返す姿勢は、県政の透明性・説明責任を著しく損なうものと言わざるを得ません。
さらに重大なのは、現在、百条委員会が鋭意調査・審査を進めている最中であるにもかかわらず、知事自らが「減給条例案」を議会に提出したことであります。
本来、百条委員会は、議会の調査権をもって事案の実態と責任の所在を解明する、県政最高レベルの調査機関です。
その結論が出る前の段階で、知事自らが「自らの処分」を先行させることは、県民から見れば「幕引きを急ぐ行為」と映りかねません。
むしろ、百条委員会の結論を待ち、行政の長として真摯に事実と責任を受け止める姿勢こそ求められているはずです。
百条委員会の調査を軽視し、政治的責任を先に薄めようとするかのような行動は、決して看過できません。
そして、見過ごしてはならない新たな問題があります。
一部報道によれば、県は令和8年度当初予算において、ワシントン事務所の再設置を盛り込む方向で予算要求を行っているとされています。
違法・不適切と指摘された事業の検証と総括がいまだ行われていない段階で、百条委員会の結論すら出ていない中で、法的な整理がままならない中での予算計上は、県民の理解など到底得られません。
まずなすべきは、事実関係の徹底した解明と責任の明確化、制度の抜本的見直しであり、それなしに再設置を進めることは“反省なき継続”以外の何物でもありません。
知事は、県政の信頼回復よりも体制の既得権化を優先しているのではないか、県民からそのような不信を抱かれても仕方がない状況です。
知事は「県民に説明責任を果たす」と繰り返し述べていますが、百条委員会への説明は極めて不十分で、専門的論点については多くを担当部局に委ね、知事自身の判断根拠は依然として不明確なままです。
県政の最高責任者として、違法の疑いを指摘された事案に対し、「追認したので問題ない」とする姿勢は、ガバナンスの形骸化そのものであり、行政組織に誤ったメッセージを与えてしまいます。
決算は、県民から預かった税金がどのように使われたか、その適法性と適正性を議会が審査する最も重要な機会です。
ワシントン駐在問題をめぐる一連の行為は、法令に照らして疑義が晴れておらず、検証委員会・監査委員いずれからも「適法」との評価を得られていません。
にもかかわらず、知事は追認行為と減給条例によって幕引きを図ろうとし、県政の根幹である説明責任とガバナンスを軽視する姿勢を示しています。
我が会派は、県政の信頼回復、再発防止、法令遵守の徹底、そして百条委員会の調査を尊重する立場から、認定第1号 令和6年度沖縄県一般会計決算の不認定を強く主張し、議員各位の良識あるご判断に期待を致しまして、私の討論といたします。



























