[代表質問] 新垣 新 令和四年第1回沖縄県議会2月定例会
令和四年2月22日(火)
令和4年第1回沖縄県議会(2月定例会)の代表質問に沖縄・自民党より新垣新議員が三番手に立ちます。以下の質問項目を事前通告いたしました。
令和四年2月22日(火)
第1回沖縄県議会(2月定例会)代表質問
新垣 新(しんがきあらた)(会派:沖縄・自民党)
1: 深刻な軽石問題について
(1) 船舶や漁船の航行・安全を確保する観点から、県と漁協組合関係者やレジャー関係者等に軽石の最新情報提供を行う連携体制はどうなっているのか伺いたい。
(2) 県全域に軽石が沖合や漁港、海岸、河川等に漂着した除去の進捗状況を伺いたい。また、軽石の漂着がピークを過ぎるのは6月との報道があるが、県の見解を伺いたい。
(3) 南太平洋・トンガ沖での海底火山噴火による更なる軽石の漂着を危惧する声があるが、情報収集の状況や対策等を伺いたい。
(4) 軽石被害における漁船の故障を防ぐ改造等に対する応急処置の補償支援状況等を伺いたい。
(5) 県と水産関係団体で構成する軽石対策協議会で、関係者に対する被害額等や漁に出ることができなかった補償支援等についての議論の中身を伺いたい。
(6) 軽石の安全性確認及び処分または活用方法に関する技術的な支援についての検討結果を伺いたい。
2:農林水産業の振興について
(1) 令和4年度からの新たな不利性解消事業について、県の見解を伺いたい。
ア:これまでの生産者の要望を受けて、対象品目の拡大について見解を伺いたい。
イ:離島から本島までの出荷コストの負担軽減措置を検討しているか、見解を伺いたい。
ウ:船舶輸送へのシフトを踏まえた単価の見直しが検討されていると聞いているが、生産者団体の意見を聞くべきだと考えるが、見解を伺いたい。
エ:北部地域及び離島地域の支援について、新たな不利性解消事業の枠組みの変更に伴い、市町村が実施する不利性事業で、公募による指定物流事業者の在り方として、1社またはJV方式以外の形態を認めない選定方式を検討していると聞いているが、その中身について見解を伺いたい。
オ:輸送費基本単価が調整中となっているが、これまで生産者団体は輸送費上昇を踏まえた単価設定が必要と要請している。同事業は予算の範囲内での対応としているが、一括交付金が減額されている中でも十分な予算確保が必要であり、予算が足りなければ補正予算などの対応が必要と考えるが、見解を伺いたい。
(2) 新年度の松くい虫被害対策と予算を伺いたい。また、前年度に行った松くい虫被害対策と実際にかかった費用を伺いたい。
(3) シークヮーサー枯れ木被害の状況を伺いたい。
(4) 沖縄県水産業の振興を図る観点から、生産量を増やす取組とブランド力などの他府県や輸入品との差別化を図って付加価値をつけて販路拡大して行く取組が重要と考えるが、見解を伺いたい。
(5) 糸満漁港北地区・高度衛生管理型荷捌き施設のプロモーション戦略について
ア:短期的視点として、今年10月に全国的でも数少ない大規模な密閉式な高度管理衛生型の荷捌き施設が糸満市に開設される。同施設は、今後の沖縄県で水揚げされる水産物が本土市場及び海外市場でも評価されていくためにもなくてはならない施設であり、併せて県内外に沖縄で水揚げされる水産物をアピールする絶好の機会となる。関係機関が一丸となって、プロモーションセールス等を大々的に展開して、沖縄県の水産物の知名度アップと消費者ニーズに応えた安全・安心な水産物が供給できる施設であることをアピールすることが重要であると強く考えているが、県の支援体制を伺いたい。
(6) 海洋深層水を生かした水産業について
ア:近年、漁獲調整など水産物の資源管理が行われている中、生産量を増加する取組として、今後は「とる漁業から育てる漁業」への時代の転換期の流れにシフトしていくことと同時に、中長期的な視点で海面及び陸上における養殖施設の整備と安定的で良質な種苗生産体制の確立が必須になってくる。現在、久米島で展開している海洋深層水もクルマエビ養殖等をはじめとして水産業発展にも大きく寄与しており、久米島以外の県内の数か所で、海洋深層水が同様に利活用できる施設を整備されることが望ましいと強く考えているが、知事の見解を伺いたい。
3:県内社会資本の整備について
(1) 新年度も一括交付金の減額が止まらない。沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)の7年連続減少により、県内のインフラ整備などの事業で、県及び市町村ごとの主な事業内容のさらなる遅れが懸念されるが、県の対応を伺いたい。
(2) 公共事業、民間事業を請け負う建設業企業等の社会保険加入率のデータとして、現在7割から8割という数字が出ているが現状は、大手建設会社の現場に入るために小さな企業は社会保険に加入している中堅企業へ社員を一時的に入社後、保険加入させ社員の雇用をつないでいるというのが現実で小企業の末端まで、社会保険加入に対する義務意
識が浸透していないが、見解を伺いたい。
(3) 本島の南北と東西を結ぶハシゴ道路のネットワーク構築に向け那覇空港自動車道及び沖縄西海岸道路整備・北部東道路整備・南部東道路整備の新年度の取組を伺いたい。
(4) 災害に強い県土づくりのため、海岸防波堤等の老朽化への対応について、現状の課題等と取組について伺いたい。
(5) 都市計画法の改正に伴い、自己用住宅地緩和区域における災害危険区域等の除外と対象のある市町村について、取組を伺いたい。
(6) 土地利用規制法について
ア:安全保障上「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」が令和4年9月までに施行されます。国の安全保障上、無秩序な土地取引は規制すべきものであると理解しているが、ご承知のように沖縄県には米軍基地が集中し、併せて先島には自衛隊の配備も進んでおり土地利用規制法が施行された場合は、沖縄県では広範囲で注視区域に指定されるおそれがある。指定された場合は、周辺1キロメートル圏内が対象となり私有財産の有効活用などが大きく制限されることになり、沖縄県の経済発展に影響が出てくることは必然であり、その運用に当たっては、土地所有者が経済的な損失を被ることがないように対応をすべきだと強く考えるが、見解を伺いたい。
(7) デジタル庁が進める「デジタル田園都市国家構想」について、県の取組を伺いたい。
ア:「デジタル田園都市国家構想」は、政府が「新しい資本主義」実現に向けた成長戦略の最も重要な柱と位置付け、地方からデジタルの実装を進め都市間格差の解消と地域活性化を目指すものであるが、沖縄県内には人口が1000人にも満たない小規模離島村があり、小規模離島村においてデジタル田園都市を推進するための人材育成の確保や民
間企業の支援も受けにくい状況にある。そういった小規模離島村を取り残さないためにも、沖縄県として支援が必要と考えるが見解を伺いたい。
イ:沖縄県では、沖縄クラウドネットワークによる沖縄県内の通信網整備、沖縄国際通信ネットワークによる首都圏・アジアへ向けた国際通信網整備、さらに沖縄のデータ集積場所として沖縄情報通信センターを整備し、「デジタル田園都市国家構想」へ向けてのインフラ整備は既に整っていると考えられる。これらのインフラ基盤を生かした県内のあらゆるデータ整備のためのオープンデータ整備や、県内自治体の取りまとめ地域社会のデジタル化促進に向けて、どのように旗振り役として取り組んで行くのか、見解を伺いたい。
ウ:デジタル田園都市の実現には、データ連携基盤をはじめ、統合ID、認証など共通サービスを支えるデジタル基盤が必要だが、それを引き受ける特定事業者だけを利して終わる可能性が高いことも、国は憂慮している。このため、ハードウエアの共有、システムの共有、それを担う人脈の形成など、幾つかのアプローチを、国自ら積極的に支援するとのことだが、共有が進んでも現状の沖縄県では、システム企業は多いが、IoT機器、RFID機器、QR機器、ロボットといったデジタルハードウエアの機器メーカーが少なく、県外企業とは「つなぐ技術」のレベル差が顕著で、結局県内企業には活躍の場が与えられない「ざる経済」が続くことが予想される。ハードに強いシステム企業の育成や県外の機器メーカーと連携できる環境整備が必要だが、民間だけではできないことが多く、沖縄県として支援が必要と考えるが見解を伺いたい。
(8) 外国人労働者の育成・訓練について
ア:今年度、第11次沖縄県職業能力開発計画を策定する予定と聞いているが、進捗状況を伺いたい。
イ:少子化高齢化で労働力不足の懸念が高まってくるが、外国人労働者の確保や人材育成も重要である。県はどのように検討を進めてきたのか、進捗状況と県の見解を伺いたい。
ウ:外国人材の活用に当たっては、職業訓練等による育成支援と訓練拠点施設整備を行うことが必要と考えるが、県の見解を伺いたい。
4:子供・子育て支援について
(1) コロナ第6波の影響により認可園や認可外保育園の休園が相次いでいる。夫婦共働きの家庭では、子育てママが仕事を休む状況になり生活が苦しい悲鳴の声が聞こえるが県としての支援策を伺いたい。
(2) コロナ第6波の影響により小・中・高・特別支援学級も休校が相次いでいるが生徒への学習の遅れはないか、伺いたい。
(3) コロナ第6波の影響により部活動等が休止であるが、小・中・高生徒のストレスに対する精神的なケアはどのように対策を行っていくのか、見解を伺いたい。
(4) 現状の待機児童数と保育士確保の取組を伺いたい。
(5) ゼロ歳児における待機児童数の状況と改善策を伺いたい。
(6) 沖縄県保育士合同就職説明会の在り方について
ア:沖縄県保育士・保育所総合支援センターが行っている合同就職説明会と保育者養成校の試験や実習と日程が重なり、保育資格を有する来場者の人数が少なかったと伺っている。今後は県が養成校に対し密に連携を図り、日程を調整する旗振り役になるべきと考えるが、見解を伺いたい。
(7) 認可外保育施設園児への支援充実について
ア:認可外保育施設園児への「新すこやか事業」における給食費補助の継続を行うべきと考えるが、見解を伺いたい。
イ:認可外保育施設園児への新型コロナ感染予防対策支援の利用料減免措置や休業補償を県も支援すべきと考えるが、見解を伺いたい。
ウ:認可外保育施設園児への認可保育との保育格差是正について、見解を伺いたい。
(8) 今年度の子供の貧困対策に向けた県の取組について伺いたい。
(9) 国は虐待防止を図る観点から、「懲戒権」の削除や「体罰禁止の明記」を民法改正に検討しているが、県の見解を伺いたい。
(10)現在開会されている通常国会において児童養護施設、里親の家庭で暮らす虐待や貧困を要因とする保護児童の支援の年齢制限の撤廃方針の児童福祉法改正が提出されている。沖縄県内のケアリーバーと言われる該当者の現状について、県はどのように把握しているのか伺いたい。
(11)昨年末、県が里親委託解除を通知した養育里親から引渡し差止めの訴訟がなされた。この解除は児童福祉審議会の開催もなく進められたと行われていますが、当該児童は児童相談所に一時保護されており、その委託先を里親夫婦へ願う署名が6万筆以上集まり県知事に届けられた。この案件の経過と県の対応について、伺いたい。
(12)ヤングケアラーにおける県調査結果と支援体制が必要と考えるが、見解を伺いたい。
(13)2月12日の地元紙報道における、県整備の公立学童施設整備の遅れと影響について伺いたい。
5:教育・文化スポーツの振興について
(1) 県内の小・中・高・特別支援学級でのいじめの発生件数と内容を伺いたい。学校側の対応や保護者との関係性構築に関して、改善策等を伺いたい。
(2) 中部の高校生が自殺した問題を受け、保護者に対して責任の所在や再発防止に関する説明責任の対応について、教育庁の対応には不信感が拭えないが、本件について説明は終了したとの認識か伺いたい。
(3) 教育委員会は、令和元年に重度知的障害者の生徒が学ぶ普通高校の先進地視察を行いましたが、これまで本県においては重度知的障害のある生徒の特性に応じた教育課程を受けることができなかったが、検討した結果を伺いたい。
(4) 沖縄水産高校の専攻科の漁業科・機関科の定数増を行う必要性について、県の見解を伺いたい。
(5) 知事の公約の1つである夜間中学設置について、近年、もともとの目的であった戦中戦後の義務教育を受けられなかった方々への教育以外に、現在では学び直しや職業教育の基礎をつくることなど多種多様な学びに対しての受皿として重要視されているが、夜間中学校設置の進捗について、見解を伺いたい。
(6) 首里城復元に向けたスケジュールと進捗状況等を伺いたい。
(7) 今年も、沖縄の将来を担う学生達が「参加」、「交流」、「創造」を柱に豊かな感性と個性を生かし、県産業の担い手としての自覚と誇り、進取の気概を醸成する場として「沖縄県産業教育フェア」が開催中で、南部3高連携プロジェクトではICTを活用した6次産業をイメージさせる、たいへん興味深い取組が行われている。一方で、今後産業界で成長が期待されているデジタル産業やDXについては、本県だけでなく全国的な人材不足が予想される。沖縄県経済の次代の競争力と県民所得向上の為には、デジタルのソフトだけでなくハードも含めた、より実践的な教育が必要になると考えるが、県の見解を伺いたい。
(8) 今年度も沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)が減額されスポーツアイランド構想の主な事業が大幅な遅れが懸念されるが、対応を伺いたい。
6:県知事選挙の期日前投票所増設について
(1) 地方選挙の投票率が低下しているが、投票率を上げる努力について伺いたい。また、県選挙管理委員会が目指す投票率はどのくらいを目標としているのか、見解を伺いたい。
(2) 今年9月に施行される沖縄県知事選挙において、県内41市町村の期日前投票所の増設をすべきと考えますが、市町村との連携を図ることについて、県選挙管理委員会の見解を伺いたい。
代表質問を終えて
知事公約の着手完了が5件しか実現しておらず、残念な印象でした。