議会活動報告(13期)

[ 総括 ] 令和四年第1回沖縄県議会2月定例会


令和4年度一般会計予算について


沖縄振興予算の大幅減額が公共事業の減少へ

2月議会は令和4年度一般会計予算を集中的に審議する議会である。
県政史上初めて8千億円の規模となったが、要因となるのはコロナ感染症のまん延対策及び経済対策としての地方創生臨時交付金等の国庫支出金が大きい。

しかしながら、県内の観光産業をはじめとするコロナ感染症の影響を受けて業績が低迷している多くの事業者に十分な支援が行きわたらず、コロナ禍からの脱却に向けた、沖縄県の新年度予算の編成に対し、代表・一般質問を皮切りに、各常任委員会や予算特別委員会で沖縄振興予算の確保や公共事業予算等への質疑が相次ぎ、一括交付金頼みの県政の予算編成の在り方に問題がある。


予算員会総括質疑について


総括質疑で知事へ予算確保に対する取組に質疑が集中!

13期議会初の県知事に対する総括質疑となった特別委員会では、与野党委員から沖縄振興予算の大幅減額に対する質疑が多く、自民党会派から振興予算確保に対する知事の政府交渉力の欠如や政府と対峙する政治姿勢に問題があるとして追及した。
これに対し知事は、政府関係要人や西銘担当大臣へ数次の要請行動を強調したが、結果が伴わないことについては、「ただ残念である」との考え方のため、予算確保に対する責任感について薄い事が感じられた。


ハード交付金減額について


公共事業が激減する沖縄県はまさに県政不況である

政府はコロナ禍からの回復のために昨年末に打ち出した大型景気対策で公共事業を前倒ししており、全国の都道府県は公共事業予算の減額は顕著に表れていない。
しかし、沖縄県の公共事業費(ハード交付金)が7年間も連続して減少し、令和四年度のハード交付金は更に前年比20%も減額となった。
市町村の道路、漁港、農地基盤整備等の事業が停滞しまちづくりに影響がでており、中小土木建設業界が不況に喘いでおり、この状況は令和4年度も改善する見通しが立たない。まさに県政不況としか言いようがない。


観光振興基金条例について


観光業界の声が反映されていない基金創設を改めよ

県は、コロナ禍の沖縄観光業を支援するために沖縄観光振興基金を創設するために基金条例案を今議会で提案し、本会議で賛成多数で可決となった。

自民党会派は経済労働委員会で、基金の財源が業界の理解を得られていない宿泊税を見込んでいることと、現状の業界の声を聞いた規模の支援をするための財源には到底足りない規模であるため、国庫に要請できる基金にするべきであるとの理由から否決した。

本会議で賛成多数で可決となったが、自民党会派の主張が県の執行部の施策に反映されることを期待するしかない。


ワシントン事務所について


7年間結果の伴わないワシントン駐在活動費が新年度も継続へ

平成27年から設置され、今年で8年目に入るワシントン駐在活動費は、年間約1億円の県単費を投入し続けており、累計8億円を補助事業に換算すると40億円規模の事業ができたことになる。

辺野古工事は着々と進んでおり、最高裁の判決も日米国家間の合意による必要とされる事業であるとされており、玉城県政は違法性のある行政手法で辺野古埋立ての阻止を止めるべきであり、ワシントン事務所の早期撤収を求め自民党会派は令和4年度予算に対し、ワシントン駐在活動費と観光振興基金を全て予備費に組み替えるよう修正案を提案したが賛成多数で否決された。


関連記事