視察(13期)

北海道視察報告 仲里 全孝

北海道視察報告

仲里 全孝

令和5年4月23日~27日(4泊5日)北海道視察を終えて


視察目的

■沖縄本島北部及び西表、国頭の世界遺産登録を受けて、先進の環境保全並びに観光活用の取り組みを学ぶ。

■北方領土に関する現状と今までの取り組み、並びに昨今の情勢を踏まえた環境の変化などについて視察する。

■北海道におけるコロナ禍後の観光施設について、並びに移住・促進及び過疎対策などについて学ぶ。

■スポーツを軸とした施設の在り方(施設特徴や運用その他を含む)



1, 4月23日

根室・納沙布岬から歯舞諸島及び色丹島を視察

離島を除けば日本の最東端に位置する納沙布岬。ここからは北方領土の歯舞群島が間近に望め、一番近い場所にある貝殻島まではわずか3.7kmだった。

岬には「望郷の岬公園」が整備され、四島の架け橋と名づけられた巨大なモニュメントに加え元島民が運営する北方館や望郷の家、そして根室市北方領土資料館では北方領土について学ぶことができた。

北方領土が手に届くほど近くに見える納沙布岬について以下のとおり。

アイヌ語の「ノッ・サム(岬の傍ら)」から地名が付いた納沙布岬(のさっぷみさき)は、北海道根室市の根室半島の先端にあり、離島を除けば日本の最東端に位置する岬で眼前には北方領土がはっきりと確認できた。

納沙布岬沖の珸瑤瑁(ごようまい)水道を挟んだ海の向こうにロシアが実効支配している北方領土の歯舞(はぼまい)群島が広がり、古い灯台が立つ貝殻島までは3.7キロメートル、その隣にある水晶島までは7キロメートルという近さで、肉眼で島々を望むことができた。

納沙布岬には「望郷の岬公園」が整備されていて、そこに世界平和と「北方領土」返還を祈念するために作られたシンボル像「四島(しま)のかけはし」が建っている。

このモニュメントの大きさは高さ13m、底辺の長さ35m。択捉島、色丹島、歯舞群島、国後島の四島をアーチで結びつけたデザインになっていて、中央には1972年(昭和47年)アメリカから返還された沖縄県波照間島で採火し、キャラバン隊によって運ばれた「祈りの火」が四島返還を願って燃えている。

四島のかけはしのそばには平和の鐘があり、北方領土の1日も早い返還と平和に願いを込めて鐘を自由に鳴らすことができる。

四島のかけはしと同じように北方領土を見守るのが1872年に初点灯した「納沙布岬灯台」で、北海道では初の洋式灯台であることから納沙布岬は「北海道灯台発祥の地」とされている。

海の日や11月1日の「灯台記念日」、根室秋刀魚祭りなどのイベントの際には特別参観ができるので、そのタイミングで納沙布岬を訪れ灯台から北方領土を望むこともできる。

毎年2月7日は「北方領土の日」、その日だけ北方四島について考えるのではなく、納沙布岬を訪れ、今後北方領土の事を学ばなければならいと思った。


2, 4月24日

第一管区根室海上保安部表敬並びに北方領土について

第一管区は、北海道全域を管轄し、その沿岸海域をはじめ周囲に拡がる太平洋、日本海、オホーツク海を担任水域とし、北海道小樽市にある第一管区海上保安本部のほか、19箇所ある海上保安部署・航空基地等と37隻の巡視船艇、14機の航空機により、日夜、海上保安業務に当たっている。

海上保安庁の管区は第七管区海上保安本部 海上保安庁は、東京に本庁があり、全国を11の海上保安管区に分けて海上保安業務を行っている。

それぞれの管区には、管区海上保安本部があり、その下には、各地に海上保安(監)部、海上保安署、航空基地、水路観測所、海上交通センターなどを置いている。

当部の管轄区域は、根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町の1市4町で、担当する海域は、根室海峡では北方四島との地理的中間線まで、根室半島以南の海域では色丹島の南東方向の沖合海域となっている。

主要な業務は、北方四島周辺海域における海上の警備、我が国漁船がロシアにだ捕等されることのないように指導すること、漁業関係法令その他の法令違反行為の取締り、ロシア等の外国船舶の監視取締り、海難救助、航行援助業務等。

根室海峡の最も狭い場所(北海道納沙布岬と北方領土である歯舞諸島(貝殻島)との間)は3.7㎞ほどしかなく、陸岸から2㎞に満たないところにロシアとの境界線が存在し、その他の根室海峡部についても、日ロ間の地理的中間線は本来の領海幅員の12海里に満たないという現実が突きつけられている。

このような環境下で、ロシア側の国境警備当局の勢力と直接対峙しながら海上の警備を実施し、日本漁船の被だ捕防止指導を現場にて実施するに際しては、我が国の主権行使の任に当たっていることを常に自覚し、関係機関との緊密な連携を維持しながら、毅然たる姿勢をもって適時的確な措置をとることを心がけているとのことだった。


3, 4月25日

知床自然遺産センターについて

平成17年7月17日に知床は世界自然遺産に登録された。登録に当たっては、流氷が育む豊かな海洋生態系と原始性の高い陸息生態系の相互関係に特徴があること、シマフクロウ、シレトコスミレ等の世界的な希少種やサケ科魚類、海棲哺乳類等の重要な生息地を有すること等が評価された。

世界的に見て普遍的な価値を有する知床の自然環境を将来の世代まで引き継いでいくため、環境省を始め、関係機関により様々な取り組みが始められている。

知床世界遺産センターは、ヒグマやエゾシカなどの知床に住む動物の実物大の写真や、ヒグマの爪痕など動物の痕跡の模型を展示し、知床の自然の素晴らしさと利用にあたって守るべきルール・マナーを伝えている。

また、知床世界遺産の見どころや自然のリアルタイムの情報について伝えるとともに、知床世界遺産の管理について最新の情報を提供している。

また、網走監獄は、明治以来、網走市と深く関わりを持っていた網走刑務所旧建造物を保存公開する野外歴史博物館。網走国定公園の景勝天都山網走湖側に位置し、敷地面積は約東京ドーム3.5個分に相当する。ユニバーサルミュージアムを指標に、日々施設充実を目標に地域に根ざした活動を進めている。

網走監獄で保存公開をしている網走刑務所の旧建物の多くは、今から100年以上前に作られた木造建築物。文化財をより良い状態で保存していくために協力をもとめている。

旧網走刑務所で実際に使用されていた舎房、教誨堂、庁舎を移築した日本唯一の監獄博物館。広い敷地内には、重要文化財が8棟、登録有形文化財が6棟と歴史的価値が高い建築物が点在していた。

囚人が暮らした部屋が並ぶ「舎房及び中央見張所」は、重要文化財のひとつ。すべての廊下が見渡せるよう中央見張所を中心に、5棟の舎房が放射状に広がる。この形状の木造舎房としては世界最古の建築物で、国内で現存しているのはここだけ。

その規模も最大級で、独居房と雑居房を合わせると226房にも。実際に中に入ることができる房もあり、囚人が過ごした部屋をリアルに体験することができた。


4, 4月26日

エスコンフィールド北海道視察について

ES CON FIELD HOKKAIDOは、敷地面積5ha、収容人数は3万5000人。掘り込み式フィールドから地上4階まで観客エリアが広がる。周辺環境との調和を第一に考え、建物中層部にテラスを複数造るなど、地域に溶け込むデザインを採用している。

細部にまでこだわった新球場は、日本初の開閉式屋根付き天然芝球場。芝の育成を促すため南側は一面のガラス壁に。みずみずしい草の香や色鮮やかなグリーンを目にすることで、観戦する側もにも癒しがもたらされる。五感で心地よさを感じることができる、プレイヤーファーストとファンファーストの両立を目指す球場。

2022年のプロ野球、ペナントレースを盛り上げた北海道日本ハムファイターズ。来季、2023年は本拠地を札幌ドームから、北海道北広島市の新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」に移る。

そんな新球場の移転による経済効果(建設費と観客消費額の合計)が、初年度までに約1634億6174万円、雇用創出効果は約1万5334人にものぼると、関西大学の宮本勝浩名誉教授が試算した。2022年12月14日の発表。

今後の10年間でみると、約6788億1740万円にのぼるという。

今回の視察を通して、沖縄の尖閣の問題、沖縄国立自然博物館、スポーツを通しての経済効果など沖縄県議会に生かしていきたいと思います。


2023-05-15 | Posted in 視察(13期), 仲里全孝, 視察No Comments » 

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