新垣淑豊

視察報告 南北大東村 / 新垣 淑豊

視察を終えて

新垣 淑豊


20日(月)〜21日(火)南大東村

南大東村 村長、他役場職員、議長、他議員団との意見交換会

要望事項として農業用水確保、情報通信基盤整備、住環境整備、亀池港漁船溜まり場の整備拡張 、航空運賃の低減、医療の充実(専門医派遣巡回事業)と6点が挙げられた。

南大東島は本島の約7割の雨量であり、ダムなどの貯水施設が限られている。現在も貯水池整備事 業は進んでいるが、今年のような厳しい干ばつの際は海水淡水化設備の稼動でしのいでいる状況である。現地視察も行った。

点滴灌漑・灌水チューブの地中埋設などの工夫が行われているが、さらなる効率化のためにもスマート農業の取り組みがスタートしている。

そのためにも情報通信整備がなされなければならないが、光ケーブルは島までは引かれているにも関わらず、島内整備が不十分な状況である。早急に行うべきである。

住環境整備としては建設費の高騰に加え、通常から輸送費が高額であることから、民間の建設需要は低い状況である。

生コン価格も本島の3倍以上であり、その他の資材も3倍程度が相場となっている。

官民合わせての住宅整備がなかなか難しいことから、移住者または島へUターン組の意欲を低減させてしまうことにつながる。3Dプリンタ建設やプレキャスト工法などの活用をいかに行うか。また、輸送費の不利性をどのように取り除くかを県として考える必要がある。

船溜まり場・漁港整備を行うことで、島周辺のパヤオなどへの漁業取り組み、漁獲高は確実に上がる状況である。南北大東島周辺の魚は質も高く、県内のスーパーなどの買い取りがなされていることから、季節に影響することのない漁場整備を行うことが所得の向上や定住に好影響を与えると想定される。

新型コロナによる移動制限や、燃料高騰などでRACの経営状況が悪化する中、本島へ子どもの進学支援や通院、介護などのために移動を余儀なくされる離島の生活において、航空運賃の値上げは生活に大きな支障を与えるものとなる。

離島振興協議会からも要望が出ているために、対応を行うべきである。

これまで2ヶ月に1度行われていた眼科と耳鼻咽喉科の巡回視察が年1回となったことについて、元 の頻度に戻して欲しい旨の要望があがっている。

この意見交換会を基にして、島内ではさとうきび圃場や給水のためのマリンタンク、点滴灌漑の現場、給水地の整備状況などの農業、また製糖工場にて職員との意見交換を行う。

島の産業として漁港・水産物加工場、コンテナ型植物工場での葉野菜の育成やテリハボク(防風林)からのタマヌオイルの抽出加工場やグレイスラム社を視察。

観光事業の関連として星野洞や交流センタ ー、ふるさと文化センターなど島を一巡りする視察を行った。

農地の広い分、土地改良整備が率としてまだ不十分な状況があり、村からも要望として挙げられ た。今後の整備を早急に行うことで農業のさらなる効率化などが見込まれる。


21日(火)〜22日(水)北大東村

北大東では製糖工場の建て替えについて、事業者および村からの非常に大きな課題として解決の要望がなされている。

すでに60年以上が経過する製糖工場の内部はコンクリートの剥離がひどい状況であり、サトウキビ生産と両輪である製糖業に影響が出る可能性が非常に高い。

輸送の日程や海の状況などを考えた際には他の農作物に置換することも難しいことから、早急な対応が必要である。

南北大東は畜産がなされていないことから、土の改良を目的とした堆肥の導入コストが非常に高くなっている。しかし改良を行うことで、収穫量の増加は確実であることから、今後も行わなければならない。そのための支援要請もあった。

また、来年度からは働き方改革により、一人あたり労働時間の減少から期間労働者の確保人数も増えることになる。加えて一人あたりの収入が減る可能性が高い。そのことから他の産業と比較し人材獲得の不利が見られる。

そうなると現在の職員に負担が偏ってしまうのではないかとも考えられる。数年は状況を見ながら、離島の実状に即した働き方に関して、例外規定などの要請を考える必要もあるのではないだろうか。

その他の要請に関しては南大東村と共通する点も多く、島チャビの解消に向けて、進捗の確認のためにも、また新たな課題が生じることもあることから、何度も足を運ぶ必要があると考える。



2023-09-04 | Posted in 新垣淑豊, 視察No Comments » 

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