「令和2年度沖縄県一般会計予算」に対する修正動議
令和二年第1回沖縄県議会2月定例会 最終本会議
甲第1号議案「令和2年度沖縄県一般会計予算」に対する修正動議
修正内容
・ワシントン事務所の駐在員活動事業費 減額
・万国津梁会議費 減額
・MICE大型施設の受け入れ環境整備事業 減額
・すべて予備費に同額を増額
提出者の説明:島袋大
ワシントン事務所駐在員活動費について
ワシントン事務所駐在員活動事務事業費は、今年で6回目の修正案になります。 ワシントン事務所の重要な役割は情報収集と発信だと言っております。
現地にいなければ収集できない情報や、現地において米政府そして米連邦議会との情報発信などを行うといっております。しかし、このような仕事はわざわざ米国ワシントンに行ってまでする事か、沖縄からできるものではないかとを我々は常々指摘してまいりました。
しかし当局の県側は、米国にいるからこそ人間関係や情報の共有もできるとのことであります。
しかし、令和2年度のワシントン事務所所長の人事において就任する上地氏は、海外経験豊富で、語学は堪能で沖縄の基地問題について英語で交渉するということで内示をだしたと
現在のワシントン事務所の運天所長は当時海外経験が少なく語学も学ばないといけないから交渉などは難しいのでは?という我々の意見に当局の県側は「大丈夫であります」と言っておきながら、今回こういった人事を移動しております。
それは語学が難しいから異動ということに当たりませんか?
しかも次の異動先は、県畜産振興公社の理事長に就任が予定されているそうであります。これまで頑張り抜いたことを無視し、基地関連部署にはいかず、他の部署への異動は何のためのワシントン事務所の設置のあり方なのか、我々は到底理解ができません。
こういった人事をやることをすること自体が、沖縄県政の運営が何が重点的に行われているというのがさっぱり県民に説明が出来ないのであります。
万国津梁会議について
今年度もこの万国津梁会議については玉城知事の一丁目一番地の政策であります。
しかしながら、契約業者との会食問題や会議の内容も、当初の流れとは到底かけ離れて、会計監査委員からも指摘を受けるわけですから、それでも懲りずに次年度も引き続き予算を計上し、しかも5つの事業をするわけでありますけれども、二つの事業は決定し、後の三つの事業は後々決めていくというずさんさ。
何のために会計監査から指摘を受けたのか反省すらありません。
大型MICE受け入れ環境について
先ほども述べましたようにこの大型MICE事業に関しましては、我々は反対ではありません。しっかりと議論をし対応するべきとの考えであります。
この和解金も県民の税金から9000万円あまりを支払うという状況であります。
大型MICE事業は政治判断で、知事がしっかり政府に要請をし丁寧に進めるべきだと我々は常々申し上げてきました。
そして今までの県側の行動を確認しましたら、大型MICEの事業単独で政府に要請したのは、翁長県政の時に平成29年3月と4月の2回。玉城県政で平成30年10月の1回の要請、2人の知事でこの3回だけMICEの単独の対政府に対する要請であります。
県民には政府が悪いと言わんばかりのことを言っておいて、中身を見ていくとMICEに関する要請は、翁長玉城両知事で3回しか行っておりません。
事実であります。
それで2020年度までには完成できないから和解金を払ってゼロベースにすると。その和解金は県民の税金ですよ、我々には理解ができません。
そのMICE事業の進捗の遅れや、今回の和解金の内容説明をMICEを推進する自治体で構成するサンライズ協議会に説明したのか?
我々が確認しますと、今までで3回しか行っておりません。
最後は令和元年10月31日で終わっております。
あまりにも杜撰であります。
文化観光部長が単独でこの各首長の方に出向いて説明したと言っておりますけれども、何のためのサンライズ協議会なんですか?
その協議会で説明するのが当然だと思っております。
その協議会で首長が聞いた後に、その首長の皆さん方は、地域住民の皆さん方に説明するのが当然の話だと思っております。
何か問題が出れば県民の税金で支払えばいいという考えはいかがなものか。
このことは県政の失態であり県政の責任は大きいと我々は思っております。
ですから我々は到底理解ができません。
以上を理由に関連予算の減額及び増額する修正案を提出いたします。
先ほど単独でMICEの事業の裁決がありましたけれども、まさしくこの修正案という内容でですね、本当に我々は県民の皆さんに対して良いものは良い悪いものを悪いとはっきり言うのが県議会の中でありまして、我々はいかにもこの3つの案に対しましては修正案で望みたいと思っております。
最後のMICEに関しましては9000万円の県民の税金を払うという内容は、私が述べたのが事実でありますから、そこをくみ取っていただいて良識ある判断の方をお願いしたいと思っております。
修正案に対する賛成討論:座波一
沖縄県一般会計予算の修正案に対する賛成の立場で意見を申し上げます。翁長県知事以来、沖縄県は辺野古移設問題に固執するあまり、行政のあり方にあってはならない歪みが出てきております。
これは今回の予算編成にも表れており、昨日最高裁の結果が出たことで明らかになったように、まるで存在意義がなかったことが示されたワシントン事務所関連費用。
国と政治的な交渉ができないまま、財源を見いだせず見切り発車した結果、業者への賠償金を支払うことになり、それを県民の負担とした大型MICE事業和解金。
政治および行政の公平性で大きな問題となった万国津梁会議事業費の問題はもう県民に説明のつかない状況になっているのであります。
行財政の原理原則は最小の経費で最大の効果を上げることでありますが、それに程遠いどころか辺野古移設案に反対することで政治的立場を守ってきた結果、それが県民不在の予算編成となっているのであります。
玉城県政は昨年の11月議会あたりから様々な問題を指摘されております。
・全国トークキャラバンの公平性と費用対効果の問題
・医療費不適正会計処理問題
※その時に管理体制の問題を指摘されました。
・万国津梁会議事業に係る不公平で不透明かつ不適正な業務発注問題
・首里城火災の曖昧な責任問題
・豚熱発生による根治対策の遅れ
新型コロナウイルス感染防止等への危機管理体制の問題は、これまでの玉城県政の政治姿勢のゆがみが現れた結果だと言えるのであります。
玉城知事も一部与党の皆さんの自民党や政府との違いは辺野古移設だけが違うとしてきておりました。その結果が今の県政の現実となっているのであります。
辺野古問題を裁判に委ね、裁判に従うとしながら必要に行政手続きで抵抗し国との信頼関係を損なう。
それこそ法治国家における違法行政運営であり、そのやり方は県民に見透かされているのであります。
予算も含め、沖縄県政の行政が立ち行かなくなっていることを、県民の方が肌で感じ始めているのであります。
また大型MICE施設の落札者との和解金問題は、この現状を表す最たる問題であります。
この事業を実現するために我々沖縄自民党は政府に何度の要請をしてまいりました。 あとは県知事や三役による政治折衝しかないと我々は指摘していたのであります。
そして県が進める停止条件付きの落札による進め方に疑問を持ち、その危険性さえ指摘したくわけでございます。
その結果が、予算案にある9150万円の和解金案となっております。
私たちは和解案と県民負担となる和解金の拠出を否定しているのであり、大型MICE施設整備を推進するのは既定方針であり今後も推進する立場であります。
そもそも、県が自ら「県にも落札者にも双方に責めに帰する事がない」と決めつけるのがおかしいのであって。これは和解であります解決に1年間という時間を費やした経緯から、この問題が想定外の問題となり落札者の損害も莫大だったのではないかと推察されるのであります。
だから和解なのであります。
和解金と双方との主張が食い違い、それを妥協して和解するためのお金なのでありまして、ましてや県にも落札者にも責任がなければ、なぜ県民に責任が回ってくるのでしょうか。
その説明がされてない。
これも住民訴訟になる可能性があることを指摘しておきます。
先ほど支払う必要があると言うこの反対討論ですが、そういう理屈が通るのであれば当初からそのようなことを書けばいいじゃないですか。入札説明書に。
そういうことを後から付けたような議論はおかしいと思います。
このように、財源が決まらない事業を先に業者に落札させ、本契約を交わさず交付金決定を停止条件付きとするような公共事業のあり方は二度とあってはならず。
ましてや県民に負担をもたらすようなやり方は愚の骨頂であります。 このような悪しき行政失態を断ち切るべきだと考えております。
米軍基地の存在を否定する声には基地と振興策はリンクしないさせないとありますが。
リンクしないとありながらも、辺野古移設と政治と行政を完全にリンクさせ県政運営をして県民に不利益をもたらす今の玉城県政そして知事を支える議員の方々に申し上げたい。
ここで今一度立ち止まって、今後の沖縄県政の在り方を考える時期が来たのではないか。
それを見極めるためにも今後の予算編成のあり方を見直すべきではないか。