代表質問(13期)

[代表質問] 座波 一 令和四年第3回沖縄県議会6月定例会

令和四年6月21日(火)
令和4年第3回沖縄県議会(6月定例会)の代表質問に沖縄・自民党より座波一議員が1番手に立ちます。以下の質問項目を事前通告いたしました。

県議会6月議会は復帰50年の節目と、県知事が任期最後の議会となります。改めて4年間を振り返ると、玉城知事のリーダーシップの欠如、軽率な言動、政府との交渉力の無さが、コロナ禍の長期化や県政不況に繋がっている事を質します。また、ゼレンスキー発言は辞任に値する問題として追及します。


令和四年6月21日(火)

第3回沖縄県議会(6月定例会)代表質問

座波一(ざははじめ)(会派:沖縄・自民党)


1:知事の政治姿勢について


玉城知事就任から4年間、首里城火災、豚熱の大発生、コロナの蔓延、軽石漂着等で沖縄の社会が混乱する一方、県政運営では辺野古埋立問題で敗訴を繰り返し、国との関係悪化が続く中、沖縄振興予算は減額が続き、一括交付金の減額で公共事業が停滞し県政不況となった。

コロナの影響で県GDPの約25%を失い、再起さえ困難な観光業関連への支援の遅れや全国最悪のコロナ蔓延、ワクチン接種の遅れなど、知事のリーダーシップの欠如が被害の拡大を招いたことは明らかである。

また玉城知事の県知事たる自覚、政治家としての覚悟が問われる行動や言動が繰り返された。委託業者の受注を祝う飲み会に職員とともに参加、台風被害の視察をそっちのけでフジロックに出演し、無神経にも「あの雨を見たかい」を熱唱、PCR検査場で防護服に身を包み「県庁基地科学捜索隊」とふざけ、県民に自粛を要請しながら自身は家族とのBBQや店でノーマスクのライブをSNSで発信するなど、知事としてあるまじき失態を繰り返してきた。

リーダーシップの欠如の影響は随所に表れており、首里城火災では責任を明確にした謝罪もせず、原因究明もうやむやに、復興あるのみの無責任なさまに県内外から批判が相次いだ。

豚熱問題で判断が遅れ被害が拡大、急ぐべき北部基幹病院計画は組合につつかれた挙げ句大幅に遅れ、中部病院クラスター発生を隠蔽し、県と病院現場のあつれきを露呈した。

さらに大型MICEは政府の理解が得られず実現不透明、鉄軌道も見通しが立たず、軽石問題も後手続きでいまだに収束していない。

そして今回の10億円の交付金申請ミス。同様なミスは3月にもあり、県の予算執行能力への信頼が失墜した。知事は議会冒頭で事務方のミスとして、自らの直接責任を否定した。

このような姿勢こそ県職員の士気を下げていることをいまだに気づかないのである。

さらに5月25日、県の基地問題を議論する会議で自らを「ゼレンスキーです」と発言した。極めて軽率で不謹慎な言動であり、理解しがたく許しがたい言動だ。
復帰50年の建議書では、沖縄がさきの大戦で多大な犠牲を被った苦難の歴史を国に訴えたばかりであり、戦争による人間の痛みと苦しみを誰よりも理解すべき沖縄知事が、こともあろうに、米軍基地問題を議論する会議におけるこの言動で建議書の訴えが空々しくなった。

知事はウクライナ駐日大使に電話で謝罪したが、これで済む問題ではない。私は6月3日、県議会の復帰50年に関する意見書を関係省庁へ手交する全日程を済ませ議員団を離団し、議長と公明及び無所属の議員と共に駐日ウクライナ大使に面会した。

急な申し入れにもかかわらず大使は快く受け入れ、私たちが県知事発言への謝罪に寛大な姿勢で対応し、むしろ大使は親しみを持って沖縄と日本への思いを語り、ウクライナへの支援を求めた。ウクラ
イナの厳しさを改めて知ると同時に、知事の言動がいかにも無責任極まりなく、レベルの低い言動であることを思い知らされた。


(1) 玉城知事のゼレンスキー発言について


ア:知事の軽率で不謹慎極まりない言動はウクライナ国民に対し謝罪するのは当然だが、この言動にむしろ怒りを覚えるのは日本国民であり、恥ずかしくざんきに堪えがたいのは沖縄県民である。知事は国民や県民に対し謝罪するべきであり、その責任を取って辞任すべき事態ではないか、知事の覚悟を伺う。


イ:知事は軽率で不謹慎な言動癖があるが、今回はなぜ戦争で苦悩するゼレンスキー大統領を引き合いにしたのか、仮に会議のメンバーへの「ウケ狙い」であれば、さらに深刻な問題ではないか。このような不謹慎な会話を交わす、お友達感覚で沖縄の米軍基地問題を議論していること自体に怒りを覚える。このメンバーで真剣に議論していると言えるか、知事に伺う。


(2) ウクライナへの人道支援について


ア:ウクライナ大使はロシアの侵攻を止めることは世界の平和につながり、アジアの安定化につながるとして、日本の支援や世界中の支援国に感謝の意を表明し、沖縄の温暖な気候と食べ物や人間性など、癒しの要素が沖縄にあり、戦争で傷ついたウクライナ人のリハビリなどの受け入れを切望したが、その要望を沖縄県はどのように受け止めるか伺う。


(3) 知事の「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」と県議会が可決した「沖縄の諸問題を解決し、真に豊かな沖縄県を目指す本土復帰50年に関する意見書・決議書」について

建議書で知事は「沖縄を平和の島」にすることを政府と共通の目標とし、反戦平和の理念の追求と自治権や基本的人権の確立を求め、基地問題は差別的とし、沖縄県の判断と責任による行政運営こそが憲法の理念であるとしている。
果たしてこれが県民の総意なのか、あまりにも屋良建議書を意識した50年前の焼き直しではないか、自らの偏向した政治姿勢を県民の声にすり替えている。沖縄県民には未来への希望と努力で乗り越えてきた誇りがあるはずだ。県民は50年の時を経ても先人の努力に誇りを持つことを忘れてはならない。

そして建議書とは国会等の議事機関が政府に上申するもので、知事の建議書は県議会の賛同がなく知事単独の要望でしかない。さらに、政府と調整し共有した経緯もなく知事の一方的な主張と要求でしかない。

沖縄の未来は私たちの子々孫々のものであり、未来志向による沖縄が平和創造の拠点として世界平和に貢献し、日本経済を牽引する壮大な方向性を示すことこそ必要であり、その方向性こそ多くの国民の賛同が得られるのではないか。そして沖縄県民が苦難を乗り越え、未来に向かってたくましく歩む姿こそ、さきの大戦の犠牲者への供養となるのではないかと考えるものである。


ア:県議会は地位協定の改定、沖縄が平和創造の拠点と沖縄の強い経済の確立に向けた取組を求め、海洋立国として我が国の発展に寄与することを全会一致で可決した。そのことは衆議院の決議と共有されているが、知事の建議書は国会や政府と共有されていない。実現を裏づける根拠はあるか伺う。


イ:知事は沖縄を平和の島にすることを共通の目標としているが、戦後77年間、我が国と沖縄は戦争のない状態が続いている。それこそ平和ではないか。国とともに目指す平和とは何か伺う。


ウ:知事は沖縄県が地方自治権と基本的人権の確立が尊重されてないと主張しているが、この50年間、法治国家における自治体として十分に保障されており、基本的人権への法的な措置や認識も他府県と変わらない。これは辺野古問題への抗議が込められた玉城知事の政治的主張であり、県民の総意と言えるのか伺う。


(4) 知事の国防観と日米安保及び経済安全保障について伺う。


知事は衆議院時代の2012年3月の安全保障委員会で島嶼防衛は自衛隊と米軍が協力した日米同盟の深化を求め、自衛隊の増強が必要と発言している。今まさに政府が進める島嶼防衛政策を10年前に提言しており、知事の変節は理解し難いのである。


ア:知事は政府の島嶼防衛政策に協力せず、米軍や自衛隊を反対する勢力に支えられている。南西諸島の島嶼防衛は日本の経済安全保障のために重要な政策であるが、知事は島嶼の安全保障をどう考えているのか伺う。


イ:知事はさきの本会議で台湾有事に関する問いに「台湾有事問題がまことしやかに論調として高まっている」と発言したが今でも同様なのか、まことしやかな問題であることの説明を求める。


ウ:台湾有事への懸念は国際的問題であるが、台湾在住の邦人の数と沖縄県関係者の人数は掌握しているか。万一の事態に備えた出国など台湾政府と情報を密にするべきではないか。また台湾と約110キロメートルしか離れていない与那国や国境離島の災害や有事の際の大量移送に対応困難な港湾の現状をどう考えているか伺う。


2:米軍基地問題への取組について


沖縄県は2019年の県民投票の結果を県は民意としてきた。しかしながら、名護市長選挙や衆議院選挙及び他の首長選挙では、辺野古埋立反対を表明した候補者は敗北しており、必ずしも県民投票の結果だけが民意ではなく、民意は確実に動いている。また、令和3年の県民意識調査で基地問題の重要性が4番目へ後退しており、玉城県政は民意の変化を受け止めなければならない。


(1) 県民の民意の変化について


ア:7月に実施される参院選挙の出馬予定の自民公認・公明推薦候補は辺野古埋立容認の立場である。また、9月に実施する宜野湾市長選挙に出馬予定の現職も容認を表明しており、知事は県民に容認の民意があることを認めるべきではないか伺う。


3:政府との政策連携について


(1) 岸田内閣が打ち出した強い沖縄経済について


ア:岸田内閣は骨太の方針に強い沖縄経済の実現を入れ、沖縄が日本の牽引役となるよう各種産業の振興や北部・離島の振興、子供の貧困対策などを総合的・積極的に推進するとしており、沖縄県にとって歓迎すべき政策であり、知事はこの政策を受け入れ、政府と連携を図るべきだが伺う。


(2) 平和創造の拠点づくりについて


ア:県議会は平和創造の拠点づくりを意見書で採択した。知事は沖縄県を平和の緩衝地にするとしているが、緩衝地とは戦争や紛争に巻き込まれない地域であり、沖縄だけが戦争に巻き込まれないためではなく、沖縄から日本、アジアを平和な地域にするための平和の創造の総合的な拠点づくりを進めるべきではないか伺う。


(3) デジタル田園都市構想について


ア:デジタル田園都市構想は行政DXとともに岸田内閣が打ち出した国家戦略で都市部と地方の情報格差をなくし、行政と地域社会及び家庭がデジタル化で情報を連携して生活の効率化と、企業や産業の作業の高度化で生産効率を高める取組である。5G等の基地局の整備や県と地方の情報連携が重要だが、今年度から総務省はインフラ整備の補助事業を始めるが、沖縄県全域のデジタルインフラ整備に対する計画を伺う。


4:公共事業の確保について


(1) 公共事業の予算確保について

ア:沖縄振興予算の減額による地方の公共事業の遅れは深刻であり、予算確保が問題となる県政不況が続いている。県は公共事業等推進調整会議を立ち上げ従来の高率補助以外の各省庁の補助事業や県債発行を視野に入れるが、県の決意を伺う。また内閣府一括計上方式との関係で次年度予算への影響を伺う。


5:コロナ禍と県政不況により疲弊する各種産業への支援について 


県内の産業は振興予算の減額や長期のコロナ感染蔓延とウクライナ情勢の影響による農業資材や工業資材及び燃料等の高騰でかつてない打撃を受けており、この状況が続けば事業の継続が困難となり、主要な産業が壊滅するおそれのある極めて深刻な事態である。畜産業界では飼料高騰は価格転嫁が困難なため、特に酪農家の廃業が相次いでいる。


(1) 第1次産業への支援について


ア:今月4日、農畜産業関連5団体から県選出自民党国会議員団に飼料・肥料等の生産資材価格の高騰対策、農水産物不利性解消事業の見直し、価格転嫁困難状況改善への対策等、国と県及びJAへ一体的な支援要請があったが、農業、畜産の事業継続が厳しく、早急な対策が必要だが県の対策を伺う。


イ:農業共済加入促進支援事業が令和4年3月31日に終了したが、農業従事者から唐突で困惑しているとの声がある。県は事業の目的達成度をどう評価しているのか、また今後の影響について伺う。


ウ:農産物不利性解消事業が今年度からモーダルシフトの導入により輸送コストの削減や発注方式を見直し約7億円が減額となった。これまでの同事業の有効性は高く生産者も認めているが、見直しに対し懸念する声がある。輸送業界も含めどのような課題が予想されるのか伺う。


(2) 公共交通機関等への支援について


ア:県内路線バス事業はコロナ禍の影響で2期連続30%以上の減収が続き、タクシーや代行業者も大幅に業績が落ち込む中、原油高騰による燃料高騰は致命的だ。公共交通機関等の現状を把握し、救済する対策はあるのか。またトラック業界等への支援策も検討するべきではないか伺う。


(3) 観光業界の再興について


ア:沖縄県の観光関連産業の損出は甚大で、全国一律的な支援策だけでは復興は厳しい。人件費や維持費等の固定費への支援要請に県は対応できていない。2年間で失われた事業者の体力は簡単に回復できず、需要回復後も楽観はできない。県は観光再興条例にのっとった県の責務を全うしているのか伺う。


イ:観光関連業界との意見交換で観光振興基金の活用に期待する意見もあるが、財源とする宿泊税に関しては業界の理解を得られておらず、夏場のシーズンに向け、事業現場の実態に見合う支援策の財源は疑問である。沖縄観光の再興のための基金の財源を国へ要請する予定はあるか伺う。


6:安心安全な沖縄について


(1) 令和3年度のコロナ地方創生臨時交付金について


ア:令和3年度のコロナ関連による地方創生臨時交付金の総額及び経済対策と医療対策への配分割合を伺う。また、他の都道府県における配分も事業内容とともに公開されており、それらと比較して、沖縄県の配分比率の妥当性を伺う。


(2) 緊急患者移送体制の強化について


ア:自衛隊の緊急患者空輸が今年4月6日で1万件を超えた。不発弾処理等、自衛隊の民生への貢献は県民として感謝に堪えない。特に、八重山諸島における急患搬送が昼夜問わず100%自衛隊もしくは海上保安庁に委ねている。沖縄県として、北海道のようなドクタージェットの導入、また全国で唯一未配備となっている防災ヘリ等の配備について、検討状況を伺う。


(3) 軽石漂着対策について


ア:軽石漂着対策は県内各地の漁協や民間ボランティア等により除去はある程度進んだが、羽地内海や屋我地島周辺ではまだ大量の軽石が堆積し、いまだに漁に出られない漁民や養殖業への被害が続き、救済措置を求めているが県の対応を伺う。


(4) 水難事故防止対策について


ア:県内における観光客の水難事故が多発しており、ここ数年全国ワースト3が続き、交通死亡事故を上回る事態だ。安心安全な観光地のために、沖縄県水難事故の防止及び遊泳者等の安全の確保等に関する条例に基づいた取組を伺う。また多発する自然海岸等での事故を未然に防ぐ対策と所管の在り方を伺う。


7:県民の暮らしと福祉、及び子育て支援と教育の環境整備について


(1) 低年金者対策と年金格差について


ア:県内の年金受給者のうち基礎年金と厚生年金の割合と平均受給額を伺う。また、県が低年金者と定義する金額は幾らか。低年金受給者に対する支援と誰一人取り残さない格差のない公的年金一元化を国に求める考えはないか伺う。


(2) 人口減少・少子化対策について


ア:沖縄県の出生率は全国一で人口増加率も高いが、2025年を境に減少に転じると予測されている。沖縄県が目指す強い沖縄経済づくりの潜在力は若い人材の豊富さであり、出生率や人口減少への対策を政策の主眼に置くべきではないか。


(3) 不妊治療について


ア:少子化対策に有効な政策として政府は治療費の保険適用を4月に開始した。さらに治療しやすい職場環境づくりに向け企業に支援制度を推進しているが、県内の不妊治療を必要とする夫婦の数等を把握しているか。また不妊治療への県の支援策を伺う。


(4) 中高一貫校設置への取組と高校教育の支援について


ア:北部地域をはじめ南部や宮古・八重山地域から中高一貫校の設置が求められている。未来の沖縄を背負い国際社会に貢献する人材育成に地域格差があってはならない。県立高校再編計画において当初から検討されている県立向陽高校への設置は南部地域の期待が多いが、県の対応を伺う。


イ:県教育委員会は今年度から高校入学者に学習端末購入を保護者に求めている。小中学校のGⅠGAスクールの継続のためにも必要不可欠の学習ツールだが、県は今後を見据えて全ての高校入学者に公費負担で対応するべきではないか伺う

代表質問を終えて

この4年間を改めて振り返ると知事のリーダーシップの無さと、軽率で不謹慎な言動は、コロナ感染拡大の長期化、公共事業の停滞など、県政の不作為により、二次的に被害が拡大している事が明らかになったのではないか。また、ゼレンスキー発言は謝罪した事で済まそうとしており、ウクライナ側の要請に応じた、支援策を検討するべきであるとする私達の提案に理解を示さなかった。


2022-06-20 | Posted in 代表質問(13期), 座波一No Comments » 

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