議会活動報告(13期)

石川県(金沢)・新潟県(佐渡)への視察

令和4年5月9日~5月12日

今回の視察は、石川県と新潟県における「地域コミュニティの再生」や「離島観光の取組み」「農業教育・就農支援」「公共交通政策」を視察し、今後沖縄県の発展と離島振興等に資する政策立案のため視察を行った。

以下に各議員からの視察報告内容をご報告いたします。


~ 現地視察・意見交換を終えて 成果と所見 ~


仲村家治

■仲村 家治
8/1
「Share金沢」は、町全体で一体感をもたらすコンセプトの町づくりの斬新な発想でした。普通の住宅街のようで、そのなかに天然温泉、サービス付き高齢者向け住宅、児童向け施設、学生向け賃貸住居等々と複合施設が一つの町中に存在している。

新たな町作りのモデルケース。
代表者は、沖縄県の廃校等を利用した施設を計画しているとの事でした。

8/1午後、佐渡島へ渡り、佐渡観光交流機構から課題等の説明を受ける。

毎年一千名の人口減と観光施設の老朽化の課題や古民家の観光施設へのリノベーションと島外からの移住者の誘致と、積極的な施作を展開している。

8/2
佐渡市役所からは、「離島観光の取り組み」の説明を受け、特に冬場の観光客の誘致に障害になるのが冬の荒波による定期船の欠航。定期空路の導入を模索しているとこと。

那覇港を結ぶ周辺離島との課題と重なります。

8/2午後、新潟市内へ新潟市役所から「公共交通政策について」レク、新潟駅中心地の渋滞対策とバス交通網の整理を行い、郊外からの乗り入れの制限と中心市街地のバス運行の一本化。

那覇市中心市街地の渋滞解消の参考になると感じました。

8/3
「新潟アグリパーク」視察においては、就農支援、小中学生の研修施設利用した農業教育は、常に予約で埋まるほどの人気があるとのこと。

冬場の雪害等、東北のご苦労があるようですが、新潟の県民性なのか、粘り強く物事に突き進む気概は、沖縄県民も見習わないといけないと感じました。

沖縄の離島や農業、観光業の更なる発展に、今回の視察で得た経験を議会で質問していきます。


■下地 康教
今回の視察は、石川県と新潟県における「地域コミュニティの再生」や「離島観光の取組み」「農業教育・就農支援」「公共交通政策」を視察し、今後沖縄県の発展と離島振興等に資する政策立案のため視察を行った。

金沢市では、「share金沢」が取組む「地域コミュニティ再生事業」の説明を受け「ごじゃまぜ」のキーワードをもとに、障がい者や健常者が共生し、地域お越しを実現して行くプロセスを視察した。

佐渡市では、地域の実情に合った持続可能な離島観光の取組みや、新潟市あぐりパークでは、児童生徒への農業教育や農産物を活用したスタートアップ事業を支援する農業支援システムを視察した。

最後に、新潟市交通政策部では、「持続可能な公共交通ネットワーク」について機能的な都市交通(バス運行システム)の取組みを視察した。

今回の視察を沖縄県における地域コミュニティね再生や持続可能な離島観光、スタートアップ就農支援体制、さらに沖縄県の機能的な交通システムを構築するため、今後の政治活動に活かして行きたい。


島尻忠明

■島尻 忠明
金沢市に於きまして、老健施設を含めた多種多様な福祉施設を運営するごちゃまぜでは、まさに今の我が国を取り巻く社会の縮図を身に持って感じました。

老若男女が、各々の置かれている環境の中で協調性を保ちながら、与えられた仕事をしながら生活しており、地元の学生達が同じエリアで住みながら自主的にサポートする等して、家賃補助もなされていました。

まさに少子高齢化、そして複雑化する社会環境のなかで、いろいろな悩みを持つみなさんにとりましては、これからのひとつのコミュニティとして求めれていく施設のあり方だと考えさせられました。

沖縄でも計画予定との事でした。

新潟の佐渡に於ましては、我が沖縄本島の離島と同じ課題があり、なかなか若い皆さんが定着せず人口減少等、島の活性化の取り組みがなされていました。

今回の視察により改めて本県の少子高齢化、多種多様な立場の皆さんの受け皿作りの在り方について考えさせられました。

本県は合計特殊出生率高さは維持されているものの、職場環境の確保等課題があり、しっかりと整備することで人口流出を止め二世帯、三世帯が一緒に生活しコミニティができましたら、これから迎える高齢者社会等、社会環境の変化に対応できるのではないでしょうか?

今回の視察でその想いを持ち課題解決に取り組んでまいります。


■仲里 全孝
8月1日
石川県金沢市と新潟県における「地域コミュニティの再生」、「離島観光の取り組み」、「農業教育・就農支援」、「公共交通施策」を中心に視察しました。

■「地域コミュニティの再生」

地域の現状及び取組、都市におけるコミュニティの問題点、地域コミュニティの活性化と経済的自立が主な内容。

具体的には

(1)地域コミュニティの再生に当たっては市内の高齢者を対象に経済活動を行うことが重要である
(2)少子高齢化に対応するため地域の実情に応じて行政と住民が協働する必要がある
(3)孤独死の防止等に向けたセーフティネット構築には困難が伴う
(4)農村女性として農業の魅力を発信していかなければ若い担い手を確保することはできない
(5)住みよい町こそ優れた観光地である、等商工会担当者から説明を受けた。

■「離島観光の取り組み」

沖縄県の離島と同様な取り組みで、環境保全に関するローカルルール策定、エコツーリズム推進法活用の可能性を示すことで、離島独自の取り組みを行っているとのこと。

■「農業教育・就農支援」

新潟市あぐりパークでは、児童生徒への農業教育や農産物を活用したスタートップ事業を宣する農業支援システムを視察した。

■「公共交通施策」

金沢市では人と公共交通を中心とし自転車を抑制する交通政策として、公共交通活性化施策やTDM(交通需要)施策、バリアフリー施策、歩けるまちづくり、など多くの施策を積極的に展開している。

その中で「人・町・環境が共存する21世紀型の交通体系の構築」を基本理念とする新金沢市総合交通計画を策定しているということだった。

8月2日

佐渡市の新潟市内へ地域交通ネットワークの再構築について説明を受けた。

1.佐渡の都市構造やコンパクトな街づくりを支える環境配慮型の公共交通
2.幹線軸・骨格路線・支線(地区内路線)による効率的なネットワーク整備
3.佐渡総合病院など拠点病院に通院可能な路線の確保
4.佐渡総合病院等拠点病院に通院可能な路線の確保
5.各学校へ通学可能な路線の確保
6.生活交通ネットワークにおける乗換等の拠点性向上
7.待合環境の整備

■高齢化社会におけるスムーズな移動の実現

1.公共交通のバリアフリー化
2.高齢者・障害者の外出機会の支援
3.免許返納制度の促進

■域外の人々の活力を取り込む観光交通ネットワーク
1. 主要観光地に移動しやすい回遊性のある公共交通システム
2. 観光エリア内で周遊可能な公共交通体系
3. フリー乗車券による需要喚起
4. 観光施設における待合環境の整備
5. 主要観光地に移動しやすい回遊性のある公共交通システム
6. 観光エリア内で周遊可能な公共交通体系

■資産(世界遺産、GIAHS、ジオパーク)等を活用した利用促進

1. 資産(世界遺産、GIAHS、ジオパーク)へのアクセス向上
2. 資産ラッピングによるバスの魅力向上

■公共交通のサービスレベルの向上

1. ICカード等の導入
2. バスの運行情報の提供
3. 公共交通の利用促進等の啓発活動の実施
4. 多様な割引サービスの導入検討

今回の視察をとおして学んだことを、沖縄県の交通システム構築・地域コミュニティ・離島振興活性化につなげていきたいと思います。


■石原 朝子
石川県金沢市での社会福祉法人佛子園が運営する「Share金沢」については、性別、年齢、障がいの有無に関係なく(ごちゃまぜ)と称し、社会福祉施設が拠点となって地域と一体感を醸成し、個々人が活躍できる共助・共創型の安全・安心なコミニュテイーを形成していた。

沖縄独特のチャンプルー文化が根付いた本県においてモデル地域を指定してぜひ取り組むべき事例であった。

新潟県佐渡市は、観光客を誘致するために日本海の荒波を航行できる高速艇(ジェットフォイル)昭和52年導入、現在は航空便の導入や老朽化した観光施設へ国の交付金活用したリノベーション事業や、小規模輸送に対応したデマンド交通等の実証運航にも積極的に取り組んでいる。

多くの離島を抱える本県においても、老朽化した観光施設の国の交付金活用やデマンド交通等についても積極的に取り組むべきではと考える。

新潟市においては、子どもたちが多様な体験をとおして学ぶことにより、ふるさとへの愛情や誇り、生きる力を培うために設置した日本初の公立教育ファームである「アグリパーク新潟」を視察。

教育委員会が中心となって学習指導要領に基づき、学校のカリキュラムと連動した農業体験学習「アグリ・スタディ・プログラム」が行われていた。

今回の視察は、沖縄21世紀ビジョン基本政策でもある「希望と活力にあふれる島を目指して」の実現に向けての一助ともなるため政策提言をしていきたい。


■小渡 良太郎
今回の視察は、福祉・過疎対策・公共交通・創業支援・観光等様々な分野でチャレンジをし続け成果を上げている石川と新潟に行ってきました。

最初の石川県では、金沢市にて児童・障がい者・高齢者福祉をミックスし、単なるサービスとしての福祉ではなく居場所を作ることで生き甲斐を再出するという、国でも事例を取り上げられている取り組みを見てきました。

各福祉分野の横断的な展開は、建て付け上なかなか一筋縄ではいかないことではありますが、お仕着せの福祉行政があちこちで様々な問題を噴出させている昨今、沖縄においてもこの取り組みは積極導入を図るべきだと強く感じました。

次に訪れた佐渡島では、離島観光の実態と今後の展望、ならびに世界遺産候補である佐渡金山や、独自の発展を遂げた種々の文化・芸能の保全と観光活用についての学びでした。

沖縄と違い、民間大手がキャンペーンを張るような観光地ではない佐渡島は、人口減少も相まって、旅行関連企業がタイアップした団体旅行・パッケージツアーといった、従来型の観光ではなかなか立ち行かない厳しい状況に置かれていますが、DXの推進とSNSの有効活用によって新たな誘客を図り、これに既存の観光業界も全面協力していて、コロナ禍の下でも成果が出始めていました。

特に、世界遺産候補の金山遺構や、離島ならではの独特な文化芸能の活用は、沖縄にも大いに通じるところであり、今後の提案に反映させていきたいと思います。

最終目的地の新潟では、新潟市のバス網整備の経緯と背景および現状のレクと、就農支援および農業教育拠点の視察でした。

公共交通機関網の整備は、沖縄においても喫緊の課題であり、特に「長距離路線と重複路線の整理」に係る取り組みは参考にすべき事柄だと感じました。

農業については、沖縄の食の安全保障を考える上で「地産地消」「域内自給率の向上」は極めて重要な事柄であり、類似施設の整備だけでなく一部取り組みの移設も含めて参考になりました。

極めて学びの多い行程であり、今後の質問や提案にしっかり反映させていく所存です。


■新垣 淑豊
8月1日(月)午前
社会福祉法人 佛子園訪問

障害、児童、高齢者の混在(ごちゃまぜ)による新しい形の福祉施設形態と地域との関わり合い、関係人口の増加と世帯数増加についての状況を確認。

厚労省の政策においても地域共生社会、地域包括ケアという流れが加速していることから沖縄県でも今後増えていく可能性があり、先端事例として同法人の理事長からの説明を受けた。

午後 一般社団法人 佐渡観光交流機構

佐渡ヶ島のオーバーツーリズム対策及び、コロナでの観光客数減の対応について意見交換。
現在の島内人口において、どの程度の観光客数の対応が適切であるのか、年間においての平準化のについての戦略についての話を伺う。

8月2日(火)午前

佐渡市職員による島外からの移動について、特に冬期の航路が荒れることによる船舶の運行方針や航空機の導入に関して意見交換を行う。

前日の観光交流機構に対しても市から出向者を配置することで、今後の観光に対しての島内一致した協力体制を戦略的に構築していることを確認。

午後
新潟市役所において市内公共交通政策についてのレクを受ける。
市の中心部の主要な施設と交通結節点を設置、同じ路線にバスが集中し、渋滞が軽減され提示運行をされるように工夫されている。

結節点の乗客待機場の整備を行うことでストレスが抑えられている。

公共交通空白・不便地区では住民組織が主体となり行政が支援する「住民バス」を運行しているなど、行政と住民の協業が行われていることも今後の沖縄県、特に那覇市の渋滞解消・公共交通利用率向上に役立つと見受けられる。

8月3日(水)午前

アグリパークにおいて、新潟市における農業教育について視察および職員からのレクチャーを受ける。

農産県である新潟での農業教育は教育委員会との連携もなされており、アグリパークを活用しての宿泊・体験授業がなされている。

また、普段から家族などでの施設利用もできることから農業との距離を近くすることに役立っていると感じる。

沖縄県も食料自給率が34%、サトウキビを除くとさらに低下する。

全国的に今後の食料安全保障も踏まえて農業振興のきっかけとなる施設として沖縄県でも同様の施設が必要であると考えられる。 今後、積極的に政策提案に活用したい。



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