代表質問

[代表質問] 小渡 良太郎 令和5年第4回沖縄県議会11月定例会

令和五年12月5日(火)
第4回沖縄県議会(11月定例会)の代表質問に沖縄・自民党より小渡良太郎議員が2番手に立ちます。以下の質問項目を事前通告いたしました。

今回は自民党会派を代表して質問に立たせていただきます。議員個人の一般質問と違い、代表質問は会派の総意に基づいて総論での議論を展開するものですから、懸案の基地問題だけでなく直近の訪台や中国・北朝鮮の挑発的行動への対応、度重なる不祥事に関する見解、置き去りになっている積年の諸課題解決に向けた取り組み等、数多くの議論を展開する予定です。わかりやすい議論を心がけますので、よろしくお願いいたします。


令和5年12月5日(火)

第4回沖縄県議会(11月定例会)代表質問

小渡良太郎(おどりょうたろう)(会派:沖縄・自民党)


1:基地問題・外交安全保障について


(1) 知事は基地問題については対話による解決が重要と繰り返すが、対話とは具体的に何を指しているのか、伺う。


(2) 知事は那覇港管理組合の管理者として那覇港港湾計画の改訂を行い、さらには那覇軍港移設についても日米両政府の合意案を容認している。地元も移設を望んでいるところだが、今後はこの合意案に基づき移設が促進されるよう、国に協力していく方針を確認したいが、知事の見解を伺う。


(3) 知事の台湾訪問について


ア:知事の訪台が報道されるや否や、中国政府からの抗議がなされた。一自治体の長の行動に対して外国政府が介入することは、内政干渉と言われても仕方がないが、知事は中国政府の言動をどう捉えているのか、伺う。


イ:知事は訪台に当たって政治・行政関係者との面会を見送る判断をしたが、なぜか。また、その理由として「一つの中国を念頭に」と述べているが、台湾海峡の緊張緩和についても知事の標榜する地域外交の大義ではないのか。そうであれば行政府等との対話・ 交流も行うことが筋論ではないのか、見解を伺う。


(4) アジア太平洋地域の平和と安定について 


ア:中国政府が尖閣諸島周辺のわが国の排他的経済水域内にブイを設置し、これに対し日本政府は撤去も含めて検討すると毅然とした対応を取る考えを示している。玉城知事はこのような中国政府の行動と日本政府による対応をどのように受け止め、どう対応していく考えなのか、伺う。


イ:琉仏修好条約文書の原本が発見されたことに対して、玉城知事は入手できないものかという発言を行っているが、その意図は何なのか明らかでない。なぜ沖縄県が取得する必要があるのか、予算措置を行う考えなのか伺う。


ウ:北朝鮮が先日、人工衛星や弾道ミサイルを立て続けに発射し、沖縄県の上空を飛翔し、深夜からJアラートの警報が鳴り止まず、県民は大いに迷惑と不安を覚えている。日本政府は抗議の意を示しているが、県民の命と暮らしを守る県知事としてどう認識しているのか、伺う。


エ:11月29日の午後、米軍所属のオスプレイが屋久島沖に墜落し、少なくとも1名の兵士の死亡が確認されるという痛ましい事故が発生した。防衛省は米軍に対し飛行停止の要請を行う方針を示したとのことだが、県当局としての情報収集の状況及び今後の対応について、伺う。


(5) 地域外交の展開について


ア:地域外交に関する万国津梁会議において、地域外交基本方針の骨子についての提言が近く取りまとめられると聞いているが、その概略について伺う。


イ:地域外交基本方針において地域外交の定義をするとのことであるが、外国政府と県との交流や折衝も含まれるのか、地方自治法の定める自治事務の範囲を超えていないかどうかの確認が必要ではないか、見解を伺う。


ウ:海外事務所については、南米への設置に前向きな答弁が9月議会であったが、令和6年度以降全体としてどのような設置計画を持っているのか、伺う。



2:行財政運営について


(1) 新たな経済対策関連について


ア:我が会派は11月10日に、総合経済対策に基づく補正予算の速やかな編成と早期の執行を求める申入れを行ったところであるが、県の対応状況について伺う。


イ:物価高対策に資するため、国の補正予算においては重点支援地方交付金として全国で5000億円が新たに措置されているが、沖縄県への配分予定額についてはどのようになっているのか、県分・市町村分それぞれについて伺う。


ウ:沖縄振興に関する部分のうち、ハード交付金の増額や離島における無電柱化緊急対策事業が編成されているが、今後の執行の方針について伺う。


エ:住民税非課税世帯への1世帯当たり7万円の給付金については、一刻も早く国民の皆様へお届けするため、国から年内の執行を求められていると思うが、県内各市町村における予算措置の状況と速やかな支給に向けた準備状況について伺う。


(2) 一連の不祥事への対応について


ア:今議会に三役の給与の減額条例が提出されたことについては、昨年に引き続く異例中の異例の状況であり、誠に遺憾である。財務事務の不適正な対応について、改めて知事としてどのように責任を感じているのか、伺う。


イ:一連の財務事務の問題や議会棟における飲酒問題、PFAS流出問題などについて、一般職職員についても服務調査や分限懲戒の検討がなされているのかどうか、伺う。


ウ:PFASが残存している県庁地下の施設について撤去に係る予算措置を検討しているようであるが、これまでの処理の経過と今後の対応はどうなっているのか、伺う。


エ:9月議会閉会間際に発覚した宿泊療養施設運営事業に係る契約の問題については国庫補助の対象になるかどうかという論点があったようだが、結論としてはどのような決着を見たのか、伺う。


(3) 令和4年度決算について


ア:令和4年度は実質収支が56億円となっているが、その理由は何か、伺う。


イ:主要2基金(財政調整基金及び減債基金)の残高が大幅に増加しているが、令和5年5月の出納閉鎖時点における残高とその増加の理由について、伺う。


ウ:決算を受けての財政健全化指標はどのような状況になったのか、その変動の理由と併せて伺う。 エ令和4年度において国庫金を収納できず、一般財源で負担した事例が発生したものと思うが、その金額について伺うとともに、補助制度を活用して当該一般財源分で実施できた事業費の規模はどの程度あるのか、伺う。


オ:違法な繰上充用手続きによって外形上は赤字が補塡された格好となっている2つの特別会計決算の法的効力について、伺う。


カ:車両損傷事故等に関する和解事案について、過去議会手続きを経たものと経ていないもの、それぞれどのような状況になっているのか、伺う。


(4) 県の出資等に係る法人の経営状況報告書によれば、一部の公社等外郭団体の資金運用の状況について、満期保有目的債券とはいえ含み損を抱える債権が発生している。


ア:他の自治体においては外郭団体の資金運用について統一的な運用基準を定めているところが多いが、本県ではどのようになっているのか、伺う。


イ:高利回りであるとはいえ公金が原資となって運営されている外郭団体にあっては、県が管理する公金と同様の基準での資金運用が求められるべきであり、早急に是正すべきではないか、当局の見解を伺う。


(5) 令和4年度沖縄県人事行政の運営等の状況によれば、一般行政職職員の普通退職が100名となり、定年退職者を超えるなど異常ともいえる状況にある。本年11月末時点での状況とともに、知事はこの原因と対策について、どのように認識しているのか、伺う。


(6) 庁内EBPM(根拠に基づく政策立案)人材について、県職員採用試験の段階から採用区分を設けるなどの取組を検討することはできないか、人事委員会の見解を伺う


(7) 生成AIを活用した行財政改革については、那覇市がテスト期間を経て導入を決定している。一方で沖縄県では6月議会で生成AIの業務利用について控えることとしてしている。職員の業務負担軽減の観点から前向きに見直しの検討をすべきではないか、見解を伺う。


(8) 令和6年度予算編成について


ア:ゆがふしまづくり計画に基づく人口減少社会に対応した事業の検討状況について、伺う。


イ:公共事業予算についてどのように確保していく考えか、伺う。


ウ:予算編成過程の透明化について検討を進めるということであるが、現在の進捗状況について、伺う。


(9) 令和6年度組織改編について


ア:こども未来部を新設するに至った背景及び部内の体制について、再編で期待される効果を伺う。


イ:知事公室等の所掌事務の見直しについて、その理由と効果を伺う。


3:産業振興・労働政策について


(1) 人材不足が深刻化する中で、県当局の雇用政策の考え方、人材確保策について、伺う。


(2) 稼ぐ力に関する数値目標の達成を推進する企業を独自に県が認証する制度(沖縄県所得向上応援企業認証制度)の運用状況について、実績と効果について伺う


(3) 一人当たり県民所得を向上させるに当たっては、県内企業の生産性向上のための取組が必要不可欠であるが、取組状況と目標値実現に向けた具体的なプロセスについて伺う。


(4) 県内企業の賃上げの状況について、全国と比べてどのような水準となっているのか、伺う。


(5) 物価高騰対策について、本年度の予算措置・執行状況を伺う。


(6) カーボンニュートラルを見据えた本県のエネルギー構造改革について、どのようなビジョンを持っているのか、伺う。


(7) スタートアップ支援の状況について、先日スタートアップ企業に関する成果目標が決定されたところであるが、実現に向けたプロセスについて伺う。


(8) ブルーエコノミーの推進に関しては県内総生産を向上させる起爆剤としての意義があると考えるが、今後の進捗について伺う。


(9) 公共工事の県内企業受注状況及び優先発注に資する取組について、伺う。


4:保健医療・環境衛生について


(1) 県内国公立大学への薬学部設置に関しては12月8日が公募期限となっているが、取組の進捗と知事の明確な姿勢について、伺う


(2) 水道料金の増額改定について今議会に条例案が提出されているところであるが、改めて増額に至った経緯について伺うとともに、重点支援交付金の活用などによって低減に努める考えはあるのかどうか、伺う。


(3) 琉球大学病院におけるPET検査施設の状況について、医療行政の主体としてどう捉えているのか、伺う。


(4) 沖縄県は大腸がんによる死亡率が高い水準にあり、県民の健康増進・管理の観点から、大腸検査の義務化など奨励策に取り組んでいく考えはないか、伺う。


(5) ワンヘルスの考え方に基づく人獣共通感染症対策について、本県としてどのような取組を行っているのか、伺う。


5:文化観光スポーツについて


(1) マリンタウンMICE施設建設の進捗状況について


ア:交通アクセスの課題解決の検討状況について、伺う。


イ:周辺用地の開発計画について、伺う。


(2) コロナ禍前をほうふつとさせる沖縄観光の復興がいよいよ本格化する中で、人材不足など増加する観光需要に対応する受入れ体制の強化をどのように図っていく考えか、伺う。


(3) 九州においては九州観光機構という団体が組織されており、奪い合いではなく九州各県がそれぞれウイン・ウインとなるような連携が図られているが、沖縄県として九州地方との観光政策での連携をどのように捉えているのか、伺う。


(4) FIBAワールドカップが盛大のうちに開催終了したが、そのレガシーをどのように引き継ぎ、今後のスポーツツーリズムの推進に生かしていくこととしているのか、総括を伺う。


(5) 沖縄の誇る伝統芸能やポップミュージックなどは世界に通用するレベルにあると考える。県として文化振興の面からどのように支援を行っていく考えか、伺う。


(6) 国立自然史博物館の誘致について、10月14日に名護市でシンポジウムが開催され、また県議会でも議員連盟が組織されるなど、機運醸成が図られている。令和6年度以降、実現に向けて県はどのように取り組む考えか、伺う。


(7) 観光目的税の導入については沖縄ツーリズム産業団体協議会と沖縄県の間で、考え方について大きな隔たりがあるように見受けられるが、観光産業を担う側の目線に立った制度設計が必要ではないか、当局の見解を伺う。


6:こども・子育て、県民生活、社会福祉について


(1) こども政策への対応について


ア:こども未来部に移管される所掌事務について、基本的な考え方を伺う。


イ:こども施策はライフステージに応じた切れ目のない展開が必要であるところ、医療的ケア児・病児保育や障害児福祉についても、こども未来部として担当していくのか、伺う。


ウ:令和6年度こども未来部が所管する予算規模はどの程度を見込んでいるのか、伺う。


(2) ヘルスケアや教育、福祉分野においてはソーシャル・インパクト・ボンド手法を全国的に採用する自治体が目立ち始めているが、沖縄県及び県内市町村における導入事例、検討事例はあるのか、伺う。


(3) 消防防災ヘリの導入検討状況について、伺う。


(4) 介護・福祉・保育人材不足への対応として国は公定価格見直しを進めているが、各行政を所管する県当局の対応状況はどうなっているのか、それぞれ伺う。


(5) 沖縄県内における刑法犯認知件数は2022年に20年ぶりに増加に転じており、那覇市内の繁華街付近においても窃盗事件が発生したり、特殊詐欺事件による財産被害などの問題が深刻化しているところ、県警察としてこれらへの取組をどのように図っているのか、伺う。


(6) 若年者の飲酒・薬物中毒(大麻、覚せい剤、危険ドラッグ、CBD)対策については、県警察、教育庁、保健医療部、相互に連携して取り組んでいく必要があるが、現状と対策について伺う。


(7) 電動キックボードや自転車が絡む事故が増加傾向にあると思われるが、生活者だけでなく観光客の安全を守る観点からも対策が必要であるが、現況と対処策について伺う。

代表質問を終えて

当初午前中質問スタートの予定でしたが、「議会答弁における正式名称の使用」という議会からの申し入れを三たび無視した答弁が出た影響で20時を過ぎての質問開始となりました。多くの質問についてはゆっくり丁寧な説明をいただき、おおよそ県の現状や今後の展望(消極的なものも含む)が理解できました。

特に何度か再質問をした「対話による解決」という言葉の真意については、対話を標榜しながら実際のところは自らの主張を押し通すばかりで、早期解決のための譲歩や妥協は一切するつもりなし、という基本姿勢が垣間見える答弁に終始し、具体性・実効性に欠ける片務性の強い一方的な主張であることがよくわかりました。

そもそも対話という言葉を持ち出しながら対話相手に対して訴訟を起こしている時点で言行不一致であり、「対話による解決」は県政サイドの姿勢から極めて厳しいことが明らかになったと言えます。

コロナ禍が明け、観光含めて人流が戻ってきた沖縄には新たなものも含めて様々な可能性が存在しますが、基地問題に拘泥する現県政にその引き出し・目出しはあまり期待できないということが、残念でなりません。


2023-12-04 | Posted in 代表質問, 小渡良太郎No Comments » 

関連記事