代表質問

[代表質問] 末松 文信 令和5年第3回沖縄県議会9月定例会

令和五年10月3日(火)
第3回沖縄県議会(9月定例会)の代表質問に沖縄・自民党より末松文信議員が1番手に立ちます。以下の質問項目を事前通告いたしました。

末松文信

この度の代表質問は、知事の政治姿勢について、沖縄振興予算の概算要求額や米軍基地問題、そして医療-福祉-教育まで多岐にわたっていますが、特に、概算要求額については、仲井眞知事時代の平成26年度3,501億円をピークに減少傾向にあり、翁長知事から玉城知事に及んでは大幅に減少し県経済にとって大きな損失と言わざるを得ない。

合わせて一括公付金も大幅に減少し市町村財政が圧迫され市町村事業に大きな影響が出ているなど、概算要求額減少の背景を質す。

また、米軍基地の整理縮小については、普天間飛行場の返還が日米両政府で合意されてから27年の歳月が経てもなお返還の目処がたたず普天間飛行場の危険性は放置されたままである。

今般、知事が辺野古埋め立ての設計変更申請を不承認としたことに対し、国土交通大臣は、最高裁の判決を受け県に対し「承認しないで放置することは公益を著しく害することが明らかである」と指摘し、承認するよう勧告した。

ところが知事は回答期限の9月27日になって回答できない旨、回答している。その対応方について、質して参ります。


令和5年10月3日(火)

第3回沖縄県議会(9月定例会)代表質問

末松文信(すえまつぶんしん)(会派:沖縄・自民党)


1:知事の政治姿勢について


(1)次年度の沖縄関係予算について


ア:沖縄振興予算の概算要求額と過年度3年間の実績について伺う。


イ:一括交付金の総額並びに県及び市町村の配分割合について、過年度3年間の推移について伺う。


ウ:市町村配分額の減少傾向に伴う事業への影響と対策について伺う。


(2)沖縄振興策の今後について


ア:玉城知事は、復帰60年以降の沖縄振興のあり方について、どのような考え方を持っているのか伺う。


イ:県は沖縄21世紀ビジョンの期間が終わる2030年以降の沖縄県の将来像をどのように描いていく考えを持っているのか伺う。


ウ:県は沖縄の振興発展に係る構造的な問題として何が残っていくと考えているのか伺う。


(3)地域外交活動について


ア:本年度の地域外交の展開状況について伺う。


イ:地域外交に関する万国津梁会議について


(ア)委員の人選はどのような考えのもとで行われたのか伺う。


(イ)万国津梁会議の運営については、支援業務を委託事業としているのか伺う。


(ウ)委託事業者の名称、委託契約金額について伺う。


ウ:平和的な外交・対話により緊張緩和と信頼醸成を図るとしているが、「緊張」と「信頼」についての現状認識について伺う。


エ:新・沖縄21世紀ビジョン基本計画には、「地域協力外交」という文言が散見されるが、なぜ「地域外交」と協力という文言を削ったのか、上位計画に規定された文言を用いるべきではないか伺う。


オ:海外事務所について


(ア)海外事務所のあり方について、次年度以降どのような方針をとる考えか伺う。


(イ)世界のウチナーンチュネットワークを構築していく意味では、現状はアジア地域に偏在していると思われる。歴史的に関係の深い南米地域への事務所設置を進める考えはないか伺う。


2.基地問題・安全保障について


(1)米軍基地の整理縮小について


ア:普天間飛行場代替施設建設に伴う辺野古埋め立て事業の進捗状況について伺う。


イ:去る9月4日、国土交通大臣から9月27日までに承認するようとの勧告を受けて知事は、「県民、行政法学者等から様々な意見が寄せられており、県政の安定的な運営を図る上でこれら意見の分析を行う必要があることなどから、同勧告の期限までに承認を行うことは困難であると考えております」と回答したようだが、ではいつ承認を行うのか、その期限について伺う。


ウ:辺野古埋め立てに係る訴訟の件数と訴訟に要した直接・間接の費用総額について伺う。


(2)那覇軍港移設について


ア:那覇軍港移設工事の進捗状況について伺う。


イ:浦添ふ頭埋め立てについての考え方は一貫して変わらないのかどうか伺う。


ウ:今後の港湾整備の考え方として、カーボンニュートラルポート(CNP)があるが、移設先の軍港施設や那覇港湾全体における適用の考え方について伺う。


(3)自衛隊・在沖米軍との関係構築について


ア:知事は自衛隊・在沖米軍と良好な関係を築くために、公私を含めて、どのような取り組みを行っているのか伺う。


イ:市町村や地元自治会等と自衛隊・在沖米軍との交流について、県として具体的な取り組みを把握できているのか伺う。


(4)北大東村へのレーダー監視施設整備について


ア:施設整備の概要について伺う。


イ:県として施設整備について、どのような認識を持っているのか伺う。


ウ:国境離島を維持していることへの本県の貢献度について、アピールすべきではないか伺う。


(5)重要土地調査法の施行状況について


ア:県内における重要土地調査法の対象地域について伺う。


イ:民間の土地取引への影響についてどのような想定を行っているのか、またその対策について伺う。


3.県土強靭化・防災減災について


(1)台風6号による災害について


ア:公共土木施設、農林水産物その他、台風6号による被災状況について伺う。


イ:停電による被害状況と対策について伺う。


ウ:台風等の被害を未然に防ぐための電線類地中化の推進について伺う。


エ:離島における飲料水の確保と食料品等の備蓄と輸送手段について伺う。


オ:罹災証明の適応範囲と申請及び交付状況について伺う。


カ:公設避難所で非常用電源がないために閉鎖したという事例が生じた。避難所の非常用電源確保や民間施設の指定避難所指定により、緊急防災・減災事業債を活用して早急な対策を講じるべきではないか伺う。


(2)公共事業予算の確保等について


ア:次年度概算要求で事項要求として示された総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備について伺う。


イ:県単独事業で行う事業のうち、地方債を活用した事業について、取り組み状況を伺う。


ウ:本年8月末時点における公共事業予算の執行状況について伺う。


(3)民間住宅建築に係る磁気探査申請について、申請から許可までの期間が長期化しており、着工時期を考慮して事業者自ら申請を取り下げる事例が多いと聞いているが、状況の改善を図る考えはないか伺う。


4.福祉保健・衛生医療・生活安全について


(1)第8次沖縄県医療計画について


ア:琉大病院の移転を踏まえた地域医療圏再編について基本的な考え方について伺う。


イ:琉大病院におけるPET検査がひっ迫しており新規の予約ができない事態となっているが、県内でPET検査可能施設は琉大病院を含めて3か所であり、多数の受検困難者が予想される。今後県としてどのような対応が必要だと考えているのか伺う。


ウ:離島やへき地における医療体制の確保については、今後策定される第8次沖縄県医療計画でどのように位置づけられるのか伺う。


エ:遠隔医療技術やドローンを用いた医薬品配送など、新技術の活用について、どのような検討を行っているのか伺う。


(2)新型コロナウイルス、インフルエンザ等感染症対策について


ア:9月補正予算で大幅にコロナ関連予算の組み換えが行われているが、庁内の業務体制については平時モードへ移行する考えか伺う。


イ:インフルエンザが季節的に異例の流行を見せ始めているが、医療体制の確保は万全か伺う。


ウ:新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業について、国から示された配分限度額を使いきれず、未執行ないし返還が生じたものは、累計でいくらになるか伺う。


(3)健康長寿について


ア:シェアサイクルが那覇市内でも多く見かけられるようになっている一方で、歩行者の安全を守る観点からも、自転車レーンや専用道の整備を推進する必要があると考えるが、現況と今後の計画について伺う。


イ:歩道の拡張整備や雑草対策、日差しの緩和など快適な歩行空間を確保するための整備についてどのような取り組みを行っているのか伺う。


ウ:スポーツ庁の調査によれば、沖縄県内の小中学生の肥満率が全国平均と比べて高い傾向にあることが判明した。県としてその要因をどのように分析し、子どもたちの健康づくりをどのように進めていく考えか伺う。


(4)小児医療体制について


ア:本県における小児医療の現状と課題について伺う。


イ:県立病院・民間病院との役割分担、子ども救急電話相談(#8000)の在り方など、第8次医療計画策定にあたっての基本的な考え方について伺う。


ウ:市町村との連携をどのように図っていく考えか伺う。


(5)北部医療組合が本年4月に発足し、新たな北部地域の基幹病院である北部医療センター設立に向けた動きがスタートしたところであるが、進捗状況と今後のスケジュールについて伺う。

(6)県内大学への薬学部設置については、先日薬剤師会、医師会、歯科医師会、看護協会の4者が知事へ財政支援の陳情書を手交したと聞いているが、進捗状況と財政支援に対する考えを伺う。


5.農林水産行政について


(1)農業振興について


ア:本県におけるスマート農業の推進について、状況を伺う


イ:県内製糖工場の現状について


(ア)老朽化が著しく、早期の建て替えが必要な箇所があると聞いているが、ふるさと融資の活用など公的な支援策を講じることができないか伺う。


(イ)製糖会社の多くが働き方改革への対応として、いわゆる2025年問題に直面をしており、賃上げや人手不足解消など経営改革への支援を求める声があるが、県としてどのようなサポートができるか伺う。


ウ:農林水産物不利性解消事業について、補助要件の見直し内容及び見直し後の事業者からの声について伺う。


エ:食品残渣や糞尿のたい肥化など、農業分野におけるサーキュラーエコノミー構築の取組について伺う。


オ:農地制度について


(ア)県内の荒廃農地(耕作放棄地)の現状と対策について、担い手確保の観点も踏まえ、状況を伺う。


(イ)農業振興地域の除外申請については、市町村における処理が滞っており地権者の不利益につながるケースも多いと聞いているが、5年に一度の見直しという時期の短縮や都度申請ができるよう改善を図る考えがあるか伺う。


(ウ)農地転用については許可制となっているが、処理期間が数か月に及ぶなど民間土地取引に弊害が生じる例があるようだが、市街化区域と同様に届出制にすることなど、制度の簡素化を図ることができないか伺う。


カ:渡り鳥が飛来するシーズンが秋口から始まるが、野鳥を媒介とした鳥インフルエンザ発生防止対策について、取り組み状況を伺う。


キ:物価高が続く中で、飼料価格高騰にあえぐ畜産・酪農家への支援策について伺う。


(2)県内漁業の振興策について


ア:安定した漁獲高を確保するため、良好な漁場の確保は至上命題であるが、日中・日台漁業協定の見直しについて、県としてどのような要請を行っているのか伺う。


イ:北大東島においては一括交付金を活用して、ヒラメやアワビなど高付加価値な陸上養殖事業が展開されているが、安定的な生産確保や販路拡大について、県としてどのような支援策が考えられるか伺う。


ウ:農業だけでなく漁業従事者の高齢化が進展しているが、若年者などの担い手確保についてどのような取り組みを行っているか伺う。


エ:労働集約的な側面がある一方で、生産性を高めるために、漁業DX、スマート漁業の推進が必要と考えるが、県の取組について伺う。


オ:漁船・漁港等における冷蔵機能の高度化の観点から、県内におけるナノバブル氷の導入状況について伺う。


6.人材育成・教育行政について


(1)外国人留学生については、現在週20時間以内という就労制限が課されているが、その緩和を求める声が強い。労働力確保の点からも国に求めていくべきと考えるが、県の見解を伺う。


(2)本年度の小中学生の学力テストは平均正答率が全国平均を下回る結果となり、より一層の学力向上の取組強化が必要だと考えるが、今後の対応について伺う。


(3)教員確保については様々な取り組みがなされているものと承知をしているが、これまでにどのような取組を行い、どのような効果が表れているのか伺う。


(4)教員のメンタルヘルス対策について、那覇市では副市長を筆頭に市長部局と教育委員会が連携しているが、県においては知事部局と教育庁とでどのような連携を図り、県全体での取り組みを講じているのか伺う。

末松文信

代表質問を終えて

知事の政治姿勢について、沖縄振興予算が減少する中、一括交付金も減少し市町村事業に支障をきたしていることに対し、県と市町村の配分額を調整した上で県の配分額を減らして市町村事業への影響を小さくしたとの答弁。

米軍基地の整理縮小については、普天間飛行場の返還合意から27年の歳月が経ても今なお普天間の危険性は放置されたままである。にもかかわらず今般の辺野古埋め立て設計変更の不承認に対し、最高裁の判決により知事が承認する義務を負うことになった。にもかかわらず知事は、最高裁の判決を批判するだけで承認はしていない。

知事が承認しなければ国が知事に代わって承認し埋立事業は進めることとなる。したがって、辺野古移設を阻止するとした知事の選挙公約は、いずれにしても破綻に向かっている。そのような状況で知事の賢明な決断を待ちたい。

また、辺野古埋め立てに係る訴訟について、その件数は13件、訴訟に要した費用は、総額2億4275万円との答弁。薬学部設置については、希望する大学の公募9月1日〜12月8日までとして選定する。また、財政支援についても国の交付金や補助金など活用して支援する旨、答弁。その他、多くの質問への答弁がありました。


2023-10-02 | Posted in 代表質問, 末松文信No Comments » 

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