[ 総括 ] 令和元年第4回沖縄県議会6月定例会を終えて / 3:米軍基地の整理縮小について
3: 米軍基地の整理縮小について
〇 翁長知事以来、沖縄県の米軍基地に対する施策は、基地の整理縮小から辺野古移設反対にその主眼が移っており、玉城知事も翁長知事の遺志を継ぐと言明した以上、県政の基地問題に対する位置づけは自ずから辺野古移設反対でかたまり、これまで歴代県知事が進めて来た基地の整理縮小は片隅に追いやられた感があります。
〇 そのため、県の主張は沖縄に米軍基地の70%超が存在している。と「70%」と言う数字を強調して、政府に迫り、県民に数字の大きさで政府の理不尽さを見せつけることで、翁長知事や玉城知事は存在感を示して来たのであります。
〇 しかし、沖縄県内の米軍基地は全然動いていないのか、復帰後、全く変わらないまま現在まで来ているのか、その事実を県民に知らせることも県知事の重要な責務であります。
〇 実は、県内の米軍基地はこれまでの歴代知事の地道な努力もあり、整理縮小が進んでおります。
そこで、平成元年(1989年)から現在までに県内の米軍基地はどの程度減少しているかについて、知事に質問しました。
〇 これに対し、県は、県内の米軍基地面積は、平成元年3月31日の2万5.026haから、平成31年1月1日現在1万8.709haで、約25.2%減少しております。と回答しております。
確かにそれでも米軍基地面積は約70%超が存在しますが、日本を取り巻く東アジア情勢や日米安全保障体制維持の重要性等わが国の安全保障の確保、さらには、尖閣諸島をめぐる中国の動きなどを考えた場合、即座に米軍基地を不要と決めつけるのは危険な考えであります。
〇 やはり、これまででの沖縄県が進めて来た、基地の整理縮小を粘り強く求めて行くのが合理的であり得策であると考えます。
〇 現在進められている辺野古の埋め立ては、普天間飛行場を全面返還するため、その代替施設を移設するためのものです。
返還が約束された基地(施設)は、「普天間飛行場の全面返還」を始め、「牧港補給地区(キンザ―)」、「キャンプ桑江(レスター)」、「那覇港湾施設」、陸軍貯油施設第1桑江タンク・ファーム」の5基地(施設)の全面返還と「キャンプ瑞慶覧(フォスター)」の部分返還であります。
そして、約8,000人の海兵隊員とその家族約9,000人も削減されます。